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トレミーが宇宙に出てから何してんだか分からないブシドーとビリーは何をしているのか…。
*****
世界連合軍の先発隊であるアロウズの戦いの舞台は今や宇宙に移っている。そのアロウズの指揮下に入っているはずのミスター・ブシドーこと、グラハム・エーカーはなぜか未だに地球に残り、自分のモビルスーツの完成を待つ身となっている。
以前、搭乗していたアヘッドもガンダムに腕をもがれたとは言え換えパーツをつければ全く問題なく動く機体だ。軍人として、その機体に乗って先鋒の部隊に合流するべきなんじゃないの？と聞いてもグラハム…いや、ミスターブシドーはまるで聞こえていないふりをする。そして、言うのだ
「新型のモビルスーツはまだか」
と。
ああ、そう。それはきみなりの、僕に対する圧力なのだね。早く新型のモビルスーツを完成させろ。完成させて、その機体で宇宙に行こう。そう言う意志の現れなのだね。
（……イヤミか…！！）
新型モビルスーツはもうほとんど完成している。あとは微調整をするだけで、できればきみにも二、三度乗ってもらって調整をする気でいた。以前のGNフラッグを飛ばした時のような突貫の作業はできれば避けたい。今度こそ、時間がないとはいえ自分の納得できる機体できみに出撃してほしい。
そう思っているのに、きみの態度はそんな僕の気持ちをひどく逆撫でする。
「本隊と別行動を許可するライセンスなんて、出さなくてもいいのに」
同じ部屋に居るきみに、わざと聞こえるような音量でその発言をした。しかし、あくまでも僕の独り言だ。きみには、関係ない。
ブシドーは僕を振り返って、仮面の向こうから睨みつけるような視線を送ってくる。
一瞬たじろいだ。しかし、僕にだって言い分はある。正直、こうしてきみに四六時中プレッシャーを与えられ続ける環境でまともに仕事を完遂させる自信がない。
だけど、それを口に出して言うのは癪だ。だから、こうしてイヤミを言う。
（きみだって、僕にイヤミを言っているようなものじゃないか…！）
真っ直ぐこちらに向いた視線に、僕も負けじと対抗した。
「前線に出ないでいいのかい」
「その必要は、ない」
僕が居るモビルスー開発部は連合軍の本部にあり、作戦行動も前線の戦況もすべての情報が逐一入ってくる。だから、ここは便利がいいな、とここに最初にきた時にきみは言っていた。だからって、こうして何日も居つく事になるとは思わなかった。
こうなったらいっそ、中途半端な状態で出撃させて、間に合わせの武器をみっともなくかまえるモビルスーツに乗ってもらおうか、と思ってしまうようなイキオイだ。
「……焦っているのか」
きみの声が、また僕の神経を逆撫でする。
焦っているのは、何よりもきみがここで出撃までの時間つぶしをしようとしているからだろう！？
叫ぶ出したくなる気持ちをこらえて、こめかみのあたりの皮膚がぴくぴく動くのを感じた。ばかみたいな事だけど、きみに対して大声を張り上げて抗議することが、できないのだ。こんな極限状態においても、だ。
（……そうまでして嫌われたくない、なんて本当に馬鹿すぎる…）
苛々していて、イヤミを言う。だけど、理不尽な怒声をあげるまでではない。どんな基準で「良い」と「悪い」があるのか、僕にもわからないけれど、なぜか大声をあげて怒鳴ることはできない。
もしかしたら、ヒステリーを起こした女の子みたいだ、って思われたくないのかもしれない。
そこまで考えて、僕は一旦作業をしていた手を止めた。小さなため息を吐いて、額に手を当てる。
苛立ちを言葉にしても始まらない。
分かっているけれど、止めることができない。
「カタギリ、」
手が止まったのを見たからなのか、ブシドーの優しい声が僕の名前を呼ぶ。振り返ると、いつも使っている僕のマグカップを持って、立っていた。
「少し、休め」
小さく微笑んで、コーヒーの入ったマグカップを渡された。
「……ありがとう…」
休んでいないからじゃない。この苛立ちは、ここにきみがいるからであって、決してモビルスーツの開発作業が嫌で苛立っているんじゃない。
ブシドーが、僕の不機嫌についてなにか見当違いな仮説を立てているのはわかっている。わかっているけれど、それを訂正する元気がその時の僕にはもうなかった。
温かいコーヒーを飲んで、少しだけこの苛立ちを忘れるように、努力をするよ。
＞＞＞
文中、ビリーが心の中でグラハムを「ブシドー」と呼んでいるのは、彼の苛立ちの度合を示したものです（笑）いや、あのままずっとモビルスーツが完成するまでビリーのとこにいたらさすがに迷惑だろう…と思って快適見ました。次の放送の前に書けて良かった！
ところでガンダム無双のミッションモードにはモビルスーツ研究所なるものがあって、そこで拾ったパーツでモビルスーツの強化をしてくれるのですが、無双に00が参戦したらあそこにビリーが立ってくれるのかな…って今ちょっとひらめてひとりでにやにやしてしまいました（笑）ガンダムと敵対しているビリーがモビルスーツ研究所のキャラになってくれることはたぶんないとはおもうのですが、あそこにビリーがいると思うとまたゲームをしたくなってきてまたらなくなる。
…いや、純粋にガンダム無双をずっとプレイし続けたいだけなんですが（笑）
以前、搭乗していたアヘッドもガンダムに腕をもがれたとは言え換えパーツをつければ全く問題なく動く機体だ。軍人として、その機体に乗って先鋒の部隊に合流するべきなんじゃないの？と聞いてもグラハム…いや、ミスターブシドーはまるで聞こえていないふりをする。そして、言うのだ
「新型のモビルスーツはまだか」
と。
ああ、そう。それはきみなりの、僕に対する圧力なのだね。早く新型のモビルスーツを完成させろ。完成させて、その機体で宇宙に行こう。そう言う意志の現れなのだね。
（……イヤミか…！！）
新型モビルスーツはもうほとんど完成している。あとは微調整をするだけで、できればきみにも二、三度乗ってもらって調整をする気でいた。以前のGNフラッグを飛ばした時のような突貫の作業はできれば避けたい。今度こそ、時間がないとはいえ自分の納得できる機体できみに出撃してほしい。
そう思っているのに、きみの態度はそんな僕の気持ちをひどく逆撫でする。
「本隊と別行動を許可するライセンスなんて、出さなくてもいいのに」
同じ部屋に居るきみに、わざと聞こえるような音量でその発言をした。しかし、あくまでも僕の独り言だ。きみには、関係ない。
ブシドーは僕を振り返って、仮面の向こうから睨みつけるような視線を送ってくる。
一瞬たじろいだ。しかし、僕にだって言い分はある。正直、こうしてきみに四六時中プレッシャーを与えられ続ける環境でまともに仕事を完遂させる自信がない。
だけど、それを口に出して言うのは癪だ。だから、こうしてイヤミを言う。
（きみだって、僕にイヤミを言っているようなものじゃないか…！）
真っ直ぐこちらに向いた視線に、僕も負けじと対抗した。
「前線に出ないでいいのかい」
「その必要は、ない」
僕が居るモビルスー開発部は連合軍の本部にあり、作戦行動も前線の戦況もすべての情報が逐一入ってくる。だから、ここは便利がいいな、とここに最初にきた時にきみは言っていた。だからって、こうして何日も居つく事になるとは思わなかった。
こうなったらいっそ、中途半端な状態で出撃させて、間に合わせの武器をみっともなくかまえるモビルスーツに乗ってもらおうか、と思ってしまうようなイキオイだ。
「……焦っているのか」
きみの声が、また僕の神経を逆撫でする。
焦っているのは、何よりもきみがここで出撃までの時間つぶしをしようとしているからだろう！？
叫ぶ出したくなる気持ちをこらえて、こめかみのあたりの皮膚がぴくぴく動くのを感じた。ばかみたいな事だけど、きみに対して大声を張り上げて抗議することが、できないのだ。こんな極限状態においても、だ。
（……そうまでして嫌われたくない、なんて本当に馬鹿すぎる…）
苛々していて、イヤミを言う。だけど、理不尽な怒声をあげるまでではない。どんな基準で「良い」と「悪い」があるのか、僕にもわからないけれど、なぜか大声をあげて怒鳴ることはできない。
もしかしたら、ヒステリーを起こした女の子みたいだ、って思われたくないのかもしれない。
そこまで考えて、僕は一旦作業をしていた手を止めた。小さなため息を吐いて、額に手を当てる。
苛立ちを言葉にしても始まらない。
分かっているけれど、止めることができない。
「カタギリ、」
手が止まったのを見たからなのか、ブシドーの優しい声が僕の名前を呼ぶ。振り返ると、いつも使っている僕のマグカップを持って、立っていた。
「少し、休め」
小さく微笑んで、コーヒーの入ったマグカップを渡された。
「……ありがとう…」
休んでいないからじゃない。この苛立ちは、ここにきみがいるからであって、決してモビルスーツの開発作業が嫌で苛立っているんじゃない。
ブシドーが、僕の不機嫌についてなにか見当違いな仮説を立てているのはわかっている。わかっているけれど、それを訂正する元気がその時の僕にはもうなかった。
温かいコーヒーを飲んで、少しだけこの苛立ちを忘れるように、努力をするよ。
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文中、ビリーが心の中でグラハムを「ブシドー」と呼んでいるのは、彼の苛立ちの度合を示したものです（笑）いや、あのままずっとモビルスーツが完成するまでビリーのとこにいたらさすがに迷惑だろう…と思って快適見ました。次の放送の前に書けて良かった！
ところでガンダム無双のミッションモードにはモビルスーツ研究所なるものがあって、そこで拾ったパーツでモビルスーツの強化をしてくれるのですが、無双に00が参戦したらあそこにビリーが立ってくれるのかな…って今ちょっとひらめてひとりでにやにやしてしまいました（笑）ガンダムと敵対しているビリーがモビルスーツ研究所のキャラになってくれることはたぶんないとはおもうのですが、あそこにビリーがいると思うとまたゲームをしたくなってきてまたらなくなる。
…いや、純粋にガンダム無双をずっとプレイし続けたいだけなんですが（笑）
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