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グラハムとビリーがいちゃいちゃしているのが見たいです先生…!
…でも自分では書けないです先生……。
…でも自分では書けないです先生……。
*****
アロウズに入隊した僕にグラハムは「お帰り」と言ってくれた。久し振りに会ったきみは、顔も名前も変わっていたけれど、昔と同じように優しかった。
きみと、軍にかかわっていなかった空白の期間。きみは僕に何をしていたのかなんて、一言も聞かなかった。
きみは、優しい。
新しいモビルスーツは、ミスター・ブシドーが開発部に来た頃にはもうほとんどできあがっていて、最終調整を待つばかりだった。忙しい事には変わらないけれど、心には少しくらいの余裕がある。
そんなときに、久しぶりにきみに会って、優しい事を言われて、心のタガが外れたんだ。そうとしか思えない。
僕の仕事の邪魔にならないように、きみは休憩室で一人で座っていた。背中を真っ直ぐに伸ばして、虚空をにらみつけている。たぶん、その視線の先にあるのはガンダムの姿だろう。四六時中ガンダムの事を口にしていた四年前のきみと、そこはちっとも変わっていない。
「ミスター・ブシドー、隣に座ってもいいかな」
近くまできた僕の存在にも気付かないので、声をかけた。こちらを振り返ったきみの顔に、僕が想像していたようなあの綺麗な顔はない。代わりにこちらを見る仮面が、少なからず僕の心を傷つける。
そんな顔にさせてしまったのは、僕だ。
僕の声に小さく頷いて、座っているベンチの開いている部分を示す。そこに座って、さっきグラハムが真っ直ぐに見ていたところを見つめてみる。何の変哲もない真っ白の壁だ。そこを見ているきみの心に、何が浮かんでいるのか、僕にはまるで想像ができない。
視線を変えて隣のグラハムを見ると、グラハムは僕をじっと見ていた。何か用事か?と顔に書いてある。
「休憩くらい、させてくれよ」
少し困った顔をして笑うと、きみはばつが悪そうに視線を伏せた。
自分の逸る気持ちが僕に負担をかけている。そのことに突然気付いた、と言う顔だ。
けれど今回は僕にだって戦う理由はある。きみばっかりが悪いわけじゃないんだ。
それを、きみに分かってほしくてここに来たんだ。
「久し振りなのに、ゆっくり話もできなくて残念だね」
口を開けば軍事にかかわることしか話していなかった気がする。だけど、僕にとってきみはほとんど唯一と言っていいくらいの友達で、その友達を過ごす時間は本当にかけがえのないものだったんだ。だから、本当に心から残念だと思っている。
その気持ちがきみに届いているかどうかは、わからないけれど。
「……きみは、もう戻ってこないのかと思っていた」
静かに、グラハムが口を開いた。いつもよりも少し小さな声で、言葉の最後は空気に溶けそうな呼吸だった。
その言葉を聞いて、指先に緊張が走った。
「実はねえ……、ふられたんだよ。一緒に暮らしてた彼女に」
できるだけ笑い話になるように、軽く言ったつもりだった。そのつもりだったのに、きみは僕の方にはっきりと視線を寄こした。動きがあまりにすばやくて、こちらが思わず笑ってしまうくらいに。
「きみには言ってなかったけど…わざわざ報告する義務はないかと思ってさあ」
仮面の下の眼が、驚いたような色をしている。膝の上の手が、ぐっと硬い握りこぶしになっていた。
「そんなに、驚くことかな?」
そう聞いた瞬間に、ふわっと温かい風が起った。きみの顔が、すぐ近くにある。抱きしめられているのだと、その時になって気がついた。
「……グラハム、」
顔が近くにありすぎて、眼鏡のフレームがかちん、ときみの仮面に当たった。あまりの距離の近さにおかしくなって、笑いだしそうになる。
まるで、子供だ。
慰めの言葉を知らない、子供だ。
「グラハム、」
強い力で抱きしめられて、きみが女性でなかった事を思い出す。
けれど、甘いにおいのしない、柔らかくもない、きみの腕の中がなんだかとても優しくて、懐かしくて、胸が締めつけられた。
きみは相変わらず無言のままだったけれど、優しい気持ちだけは伝わってきた。
そんな風にされると、きみの事を好きになってしまうじゃないか。
声を出さずに笑った僕は、目の中に薄く涙をためていた。
>>>
お前そのままビリーを押し倒しちゃえよ!って言いたい。
きみと、軍にかかわっていなかった空白の期間。きみは僕に何をしていたのかなんて、一言も聞かなかった。
きみは、優しい。
新しいモビルスーツは、ミスター・ブシドーが開発部に来た頃にはもうほとんどできあがっていて、最終調整を待つばかりだった。忙しい事には変わらないけれど、心には少しくらいの余裕がある。
そんなときに、久しぶりにきみに会って、優しい事を言われて、心のタガが外れたんだ。そうとしか思えない。
僕の仕事の邪魔にならないように、きみは休憩室で一人で座っていた。背中を真っ直ぐに伸ばして、虚空をにらみつけている。たぶん、その視線の先にあるのはガンダムの姿だろう。四六時中ガンダムの事を口にしていた四年前のきみと、そこはちっとも変わっていない。
「ミスター・ブシドー、隣に座ってもいいかな」
近くまできた僕の存在にも気付かないので、声をかけた。こちらを振り返ったきみの顔に、僕が想像していたようなあの綺麗な顔はない。代わりにこちらを見る仮面が、少なからず僕の心を傷つける。
そんな顔にさせてしまったのは、僕だ。
僕の声に小さく頷いて、座っているベンチの開いている部分を示す。そこに座って、さっきグラハムが真っ直ぐに見ていたところを見つめてみる。何の変哲もない真っ白の壁だ。そこを見ているきみの心に、何が浮かんでいるのか、僕にはまるで想像ができない。
視線を変えて隣のグラハムを見ると、グラハムは僕をじっと見ていた。何か用事か?と顔に書いてある。
「休憩くらい、させてくれよ」
少し困った顔をして笑うと、きみはばつが悪そうに視線を伏せた。
自分の逸る気持ちが僕に負担をかけている。そのことに突然気付いた、と言う顔だ。
けれど今回は僕にだって戦う理由はある。きみばっかりが悪いわけじゃないんだ。
それを、きみに分かってほしくてここに来たんだ。
「久し振りなのに、ゆっくり話もできなくて残念だね」
口を開けば軍事にかかわることしか話していなかった気がする。だけど、僕にとってきみはほとんど唯一と言っていいくらいの友達で、その友達を過ごす時間は本当にかけがえのないものだったんだ。だから、本当に心から残念だと思っている。
その気持ちがきみに届いているかどうかは、わからないけれど。
「……きみは、もう戻ってこないのかと思っていた」
静かに、グラハムが口を開いた。いつもよりも少し小さな声で、言葉の最後は空気に溶けそうな呼吸だった。
その言葉を聞いて、指先に緊張が走った。
「実はねえ……、ふられたんだよ。一緒に暮らしてた彼女に」
できるだけ笑い話になるように、軽く言ったつもりだった。そのつもりだったのに、きみは僕の方にはっきりと視線を寄こした。動きがあまりにすばやくて、こちらが思わず笑ってしまうくらいに。
「きみには言ってなかったけど…わざわざ報告する義務はないかと思ってさあ」
仮面の下の眼が、驚いたような色をしている。膝の上の手が、ぐっと硬い握りこぶしになっていた。
「そんなに、驚くことかな?」
そう聞いた瞬間に、ふわっと温かい風が起った。きみの顔が、すぐ近くにある。抱きしめられているのだと、その時になって気がついた。
「……グラハム、」
顔が近くにありすぎて、眼鏡のフレームがかちん、ときみの仮面に当たった。あまりの距離の近さにおかしくなって、笑いだしそうになる。
まるで、子供だ。
慰めの言葉を知らない、子供だ。
「グラハム、」
強い力で抱きしめられて、きみが女性でなかった事を思い出す。
けれど、甘いにおいのしない、柔らかくもない、きみの腕の中がなんだかとても優しくて、懐かしくて、胸が締めつけられた。
きみは相変わらず無言のままだったけれど、優しい気持ちだけは伝わってきた。
そんな風にされると、きみの事を好きになってしまうじゃないか。
声を出さずに笑った僕は、目の中に薄く涙をためていた。
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お前そのままビリーを押し倒しちゃえよ!って言いたい。
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