忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

なんか、ホーマーがビリーの事をすっごい可愛がってたらいいなーって思って書いてみたもの。




 *****
「君が招きたい、と言った技術者だがね。彼は駄目だ」
人払いをした指令室で、ホーマー司令官の静かな声が響いた。駄目だ、と言われた男は仮面の下の目を不快そうに細める。
「駄目だ、とは 」
どんな意味ですか?そう尋ねる視線は躊躇うことなくホーマーを射抜いていた。
仮面の下の解らぬ表情が、話し相手に不快感を与えることをこの男は知っている。けれどホーマーはそれぐらいで揺らぐ男ではなかった。威嚇は逆に、目の前の彼の余裕の無さだと理解する。
「私はあれにこれ以上傷を負わせたくないだけだ」
まるで、件の人物を自分の所有物の用に言う。むっとして相手が二の句を継げないでいるのをむしろ楽しんでいるような顔だ。
「あれは昔から優しい子だった…軍人には向かない子だよ。それに、君を失ってからは二度とフラッグに近付かないと言ったんだよ。これは、あの子の意思だ」
あなたが、彼の何を知っているのか。喉まで出かかった言葉を飲み込む。ぐっと握った拳が震えているのは、怒りよりもむしろ無力な自分への叱責だ。
「君は、あれの事を何も知らない。今、どうしているかもね」
畳み掛けられた言葉に反論さえ出来ない。四年前、負けて帰った自分に待ってい
たのは新しい身分と新しい名前。そして知らされなかった彼の現在。ただそれだけだった。悔しい、と言っても始まらない。自分の弱さが招いた事態だ。それはもう、どうしようもない。ただ、彼と一緒に居たかった。彼のフラッグでもう一度飛びたかった。今は、それさえも許されないのか。彼の親類であればこそ、あるいは、と抱いたかすかな希望は意外な形であっけなく消えた。計算外だったのは、彼がこの叔父に殊の外買われていた、もしくは大事にされていた、と言う事だ。恐らくホーマーは二度と彼に軍での職を与えたりはしないのだろう。
「あれが傷つく前に、君と引き離さなかったのは私の責任だ」
黙して動かない仮面の男に、ホーマーは立ち上がって目線の高さを合わせた。ふと伏せられた視線はただ宙をさまよっている。
「約束してくれるかね。二度とあれの話は持ち出さない、と」
肩に軽く置かれた手から、その発言がお願いではなく命令であると語っている。
仮面の男は一礼し、指令室をあとにした。あの戦いで、自身が失ったものは数多くある。しかしその中でも一番失ってはいけないものを手放してしまったことに今更気付いて、どうしようもなく孤独な気持ちに陥った。
(カタギリ…きみがいればあとはなにも…)
けれど、今の自分には何の力もない。彼を、護ることさえ出来ない。浮かんだ感情は、怒りと苛立ち。それはどこにも発散できないものだったけれど。




>>>
携帯で書いたので文章がぐちゃぐちゃですがログで置いておきます。
PR
[66] [65] [64] [63] [62] [61] [60] [59] [58] [57] [56]
カレンダー
02 2025/03 04
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
アクセス解析
忍者ブログ / [PR]
/ Template by Z.Zone