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暗い部屋の中で、通信端末をオンにする。きっと忙しいだろうけど、僕からの呼出しにはきっと応えてくれる。優しい叔父は、僕の期待に応えなかったことはない。何もかもを無くした今でも、あの人だけは信頼できる。何度目かのコールの後、応答があった。
「ビリー、どうしたんだい?」
優しい口調は僕がユニオンでモビルスーツの開発班に加わりたい、とわがままを言ったあの頃と何も変わらない。
「…叔父さん、以前頂いていたお話あるでしょう?今更だけど、僕も参加させてほしいんだ」
声が震えやしないか心配していたけれど、口から出てきたのは至って冷静な発言だった。僕は、自分の本心を偽ることを覚えたのかもしれない。一度は断りを入れた話を今更蒸し返した僕に、叔父は暫くの沈黙で不信感を現した。けれどそのあとに小さく息を吸い込む音が聞こえて、叔父が落ち着いた口調で話し出す。
「いいのか?」
「うん。決めたんだ」
いいのか?と聞かなければならないのは僕の方だ。ガンダムとの戦いがあってから、傷ついた心を言い訳にして自分の本分から逃げていた。民間の研究所を紹介してくれたのも叔父だったし、今も彼を頼ろうとしている。一人では何も出来ない僕は、優しい叔父に頼りすぎなのかもしれない。
「本当に、いいんだな」
念を押すように確認をしてくる叔父の声に、思わず笑ってしまった。
いいんだ。僕にはもう、守りたいものは何もない
呟くような僕の声に、だったらいいんだ。と、優しく静かな叔父の声が重なった。そうだ。もう、守りたいものは何もない。自分の心でさえ、守りたいとは思わない。明日、迎えを寄越してくれるて約束をして通信を切った。再びひとりの部屋に意識を戻すと、クジョウくんが出ていった時のままになっているリビングや
、寝室が視界に入って、胸がちくりと痛んだ。
(クジョウくんは…)
叔父に、ガンダムの居所を聞けば良かった。彼女は多分そこにいるだろう。
(…聞いて、どうするんだ)
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そんなこんなでアロウズに入ればいい。
その後アロウズでミスター・ブシドーと出会うところまで書いたら今日は寝ます。