考え中。 2009/07/29_Wed_23:42

秋に出す本の中身を考え中。
1期～2期までの間の話か、2期終わりの話か、1期前の話か、で迷い中。
どちらにしてもグラビリの日常的な話になると思います。
あんまり難しい話は書けないので（笑）

で、今日は2期終わりの話。

夕食の時間になると、きみは時間丁度に帰ってくる。暇なの？と聞いたら苦笑いをされた。
全世界から敵対する勢力が消えてしまった今、国の機関で働いている軍隊に華々しい出番はなくなってしまった。それでも軍人以外の職業を選択できないきみは、相変わらず軍部に勤めている。僕も、似たような状況だ。
今のところは嘱託で自宅勤務。つまらないプログラムをパソコンの中で走らせているだけの仕事でお金をもらっている。
正直、つまらない毎日だけど平和な世界と引き換えのつまらなさだ。仕方ないと思う。思わなきゃやってられない。
「おかえり。夕飯できてるよ」
似合わないスーツ姿で出勤をして、きみが毎日何をしているのかは知らない。ただ、定時で帰ってくるだけの仕事をしていることだけはわかる。
一緒に暮らすようになって、僕は自分で食事を作るようになった。他にすることがないので、料理をするのも結構楽しいものだ。慣れればなんでも簡単にできる。…少し、時間はかかるけれど。
夕食の支度ができている、と言うときみはやっぱり少し苦笑いをする。
「きみにこんな事をさせて、すまない」
気まずいような顔をしているのは、僕の事を大事に思ってくれているからだろう。
「別にかまわないよ。家にいると暇なんだ」
食事の準備ができているテーブルにつくように促すと、きみは上着を脱いでから椅子に座った。
どうも浮かないような顔をしているけれど、それはいつもの事なのでそれについてはあえて触れないようにする。きみが感じている不満や、鬱屈した気持ちは僕も持っているものだ。
平和のために戦っていても、いざその平和な世界がやってくると、僕たちみたいな者には行き場所がない。戦場だけが生きる場所なんて、寂し過ぎる。
だからきみは、今日も浮かない顔をしているのだ。
僕があんまりにもじっと顔を見ているので、きみは顔をあげて笑った。
「何か、ついているか」
顔を手で触って、聞いてくる。
「何も」
首を横に降ってテーブルに視線を落とした。
時々、不安になる。
きみはこんな生活でいいのか。こんな毎日でいいんか。
けれど、きっと答えは一緒だ。きみは少し苦笑いをして「これでいい」と答えるにきまっている。だから僕は何も言えない。きみにそんな事を言って欲しいのではないからだ。
暫くそんな事を考えてから、きみの様子を伺うと、きみは僕に視線を向けてにこりと笑う。僕も笑顔を作ったけれど、きみがその表情をどう受け取ったかはわからない。
もしかしたら、不安な気持ちはばれてしまっているかもしれない。
「…きみは、これでいいの」
思わず、口からそんな言葉が出てきた。
ぽろりとこぼれ出した言葉は、お皿の上の野菜がこぼれ出した時のように、手で拾って戻せるものではない。きみを見ると、少し驚いたような顔をして、こちらを見ていた。まさかこんな事を言うなんて。そう言う顔をしている。
「ごめん、」
「いや、」
謝罪の言葉も、きみの顔を見てはじめてでてきた。頭の中は焦りで少しだけパニックになったけれど、パニックになっている分だけやっぱり声は出てこない。
「…きみが、不満に思っているんじゃないかと思って」
「何に、」
「この、生活に」
僕と二人で暮らしてること、それに、この平和な世界に。
焦りが変な声になって出てきたけれど、きみは余裕の表情で僕の質問をかわしてくれた。
「きみと二人でこうして食卓を囲めるんだ。不満なんて、ないよ」
ふふ、と笑った顔は、久しぶりに見たきみの心からの笑顔。手を差し出して、テーブルの上にあった僕の手を包んでくれる。
そうか、不安に思っていたのは僕の方だ。平和な世界に不安を抱いていたのは僕の方だ。
目のあたりがじわっと熱くなって涙が出るかと思ったけれど、恥ずかしいのでなんとか堪えた。
戦いのない世界の中で、きみと二人で食事をしている。たぶん、こんなに幸せなことなんてないだろう。
「…明日も、ごはん作って待ってるから早く帰ってきてね」










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イベントでおまけになにか作ろう！と思っているのですが、その前にプチオンリーの申し込みをしなきゃならない…（笑）