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ビリーとグラハムってどうやって地球に帰ってきたんでしょうかね?
劇場版でそこのところは明かされるのかな??



 *****

もう、遠い昔のように思える。
ユニオンで技術顧問をしていた頃は、沢山の仲間や友人、尊敬する恩師に囲まれて仕事をしていた。自分の生活と仕事が余りに密着しすぎていてプライヴェートなんてほとんどなかったけれど、それでも毎日が楽しかった。

 

ガンダムが、現れるまでは。

 

沢山の友人を亡くし、尊敬する先生も、叔父も居なくなってしまった。僕はただ一人になってしまったのだと思うと、一筋の涙も出てこなかった。そんなものは、とうの昔に僕の中から枯れ果ててしまったのだ。
悲しむことも、絶望することも、全部に慣れっこになってしまって、自分がどんな風に笑っていたのかも思い出せなくなってしまった。
だからきみがもう一度僕の目の間に現れた時、本当は嬉しかったはずなのに、どうしてだか戸惑ってしまったのだ。
ソレスタルビーイングの船から戻ってきた僕の耳に入ったのは、きみが戦闘中に行方不明になったと言う事。近くにいたモビルスーツ部隊の話によると、機体はほとんど大破していて、あれでは見つからないだろう、と聞いた。
(嘘だろう?)
四年前も、そうだったんだ。きみは必ず帰ってくる。帰ってきて、また僕にとんでもない冗談を言ってくれる。そう、信じていた。
きみが見付かるまでの時間は、現実の時間にしてみればほんの少しの時間だったけれど、僕にしてみればそれはとてもともて長い、永遠に続く絶望の時間だった。
どうして僕だけが取り残されるのか。
この、悲しい世界に。
(きみがいなきゃ…意味がない……)
仲間も、恩師も、全て失った。僕に優しくしてくる人は、いなくなった。
(嘘だろう)
四年前、カスタムフラッグで飛び立つ前に、きみが言った。
絶望をしているのなら、神に祈れ。神様は、こんな時のために居る。
神様に願い事をしたことなんて一度もなかったけれど、その時ばかりは両手を組んでい乗った。神様、どうかその人を連れて行かないで。どうか、その人だけは連れて行かないで。
何度も、何度も、祈った。
そして、今もそうしていた。
神様なんてもとから信じていなかったけれど、きみが帰還を果たした時に、本当に思ったのだ。この世界に神様は存在する、と。
普段から神に祈ることのない僕が、ただきみの帰還を待って手を組む姿はさぞ滑稽だっただろう。きみが見ていれば、きっと笑っただろう。だけど、誰でもいい。願いをかなえてくれるのなら、いっそ悪魔でもいい。
そして僕の精神が絶望の淵に立ったころに、きみは帰ってきた。きみは僕を見るなり少し笑って「死に切れなかった」と、それだけ口にした。
きみは、本物のバカだ。
僕はそう言いたかった。けれど、もう声は出てこなかった。かすれた何かが喉の奥から出てこようとしただけで、言葉になんてならなかった。
「きみだけだ。僕にはもう、きみしかいない」
だから、死ぬなんて言うな。
僕は両手を伸ばして傷ついたきみの身体を抱きしめた。
武士にあこがれて、武士になりたいと口に出していたきみの気持ちはわかっていたつもりだ。だけど、それとこれとは違う。
「きみが死んでしまったら、僕にはもう何も残らない。だから、」
だから、死んでしまうなんて言わないで欲しい。
視界が歪んだと思ったら、もう枯れて無くなってしまったと思った涙が溢れていただけだった。
きみは何も言わずに僕の抱擁を受け止めてくれた。

 

何も残らなかった絶望の世界の中で、きみは僕のただ一つの希望の光。










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ビリーとグラハムはお互いがいなくなってしまったら、本当にひとりぼっちになっちゃうんだなあ、って思ったらもう居ても立ってもいられませんでした(笑)

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