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4月24日はビリーの誕生日だって聞いたんですけど本当ですか(笑)



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仕事が終わって家に帰ると、誰もいないと思っていた部屋の中に明かりがともっていた。おかしいな、と思いながらドアを開くと、部屋の中をなにかいい匂いが漂っている。
このあたりで漸く部屋の鍵を渡していたただ一人の人物を思い出して、苦笑しながらキッチンを覗くと、やっぱりそこのきみの姿があった。似合わないエプロンをつけて、オーブンから何か取り出している。自分一人では決して使わないだろうキッチンのコンロやオーブンを総動員して、料理を作っていた。
「やあ、」
料理を作るのに集中していたグラハムに声をかけると、丁度オーブンの中身を大皿に移していたきみは顔をあげて、にこりと笑顔をつくる。
「遅かったな」
僕が何時に帰ってこようときみには関係ないはずなのに、非難めいた口調でそう言うので少しだけむっとしてしまった。
「…きみは人の留守にあがりこんで、何をしているのかな」
小さくため息を吐きながら文句を口にする。きみはまるで僕の不満にか気付かずに、鞄を床に置こうとした僕を逆に注意してきた。
ちゃんと片付けろ、だなんてきみは僕の母親なのか。疲れているので早く寝たい気持ちで、きみの言葉をうんざりしながら聞いていた。
仕方なしにいつもだったらリビングに散らかしたままの上着も、カバンも、全部自分の部屋に放り込んで、きみが一生懸命料理を並べているダイニングテーブルについた。
ローストチキンに、サラダに、ワイン。山盛りのマッシュポテトに斜めに切ったバケット。一体何のお祭りだ、と思った頃にきみがワイングラスをふたつ持って席に着いた。
ワイングラスをひとつ僕に手渡して、きみがワインのコルクを抜く。
「今日は何かのお祭りなのかい?」
グラスに注がれる赤い液体に視線を送りながら聞くと、きみは少し呆れた顔をして溜息を吐いた。
「……きみは本当に、仕事以外にはまるで興味がないんだな」
グラハムは溜息を吐きながら自分のグラスにワインを注いで、グラスを持ち上げた。
かちん、とグラスを鳴らして乾杯をする。
「誕生日、おめでとう」
さらりと言ったきみのせりふに、動きが止まる。
誕生日?誰の?
一瞬、きみの言葉の意味がわからなくて目を見開いて、それからああ、と頷いた。
「なんだ……僕の、誕生日か」
グラスを傾けて一口飲んで、それから少しだけ笑った。きみは不満そうな表情をしている。
「やっぱり、忘れていたのか」
やっぱり、だって。わかっているんじゃないか。僕が機械いじりのほかに何も興味がないってことを。
笑いながら、きみが作った料理をつついて口に運ぶ。
「美味しいよ」
にこりと笑うと、きみはやれやれと小さく不満を漏らしてから、食事を始めた。
グラハムの料理は美味しい。
「もしかして、ケーキも買ってきた?」
からかうように聞いてやると、グラハムは首を縦に振った。
そうか、ケーキもあるのか。
「酔っぱらわないようにしないと」
空になったグラスにすぐにワインを注ぐきみを注意するように顔を覗き込むと、まあ今日くらいは良いじゃないか、ときみの眼が笑った。





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4月24日はビリーの誕生日らしいですね。友達に聞いて初めて知りました。あ、去年はなにかやったかな?
時間がなかったのでいつものかんじでテキストを書いてしまったのですが、本当はもっといちゃいちゃしているかんじのを書きたかったです。また次回挑戦します。
ガンダム最終回が終わってからぬけがらのよーになっていまして動きのないサイトで申し訳ないです。
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