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ずいぶん放置してしまいました…。
CDもまだ聞いていません。
残念すぎる。
*****
今になって思い返してみると、あの日々は一体何だったのかな、と考えてしまう。
恩師や、仲間を奪われ、自分の心もそんな戦いの中に投じてしまった。
最後に残ったのはぼろぼろに傷ついた心を抱えた自分と、傷ついた身体で横たわるきみの姿だけ。
「命があっただけでも、ありがたいと思うよ」
あの戦いの後、きみが宇宙空間に投げ出されて救援信号すら出さなかったと聞いた。酸素のなくなるコックピットの中で、君が何を考えていたのか。想像するだけでも恐ろしい。
きみはガンダムが現れてからと言うもの、常に自分をぎりぎりの状況に置いて、死と隣り合わせの覚悟を見せてきた。
きみは何も悪くはないのに、と僕はずっと思ってきたけれど、今ならわかる。悪くない人間なんていない。
生きていること。
それが、人間にとっての悪だ。
戦いが終わってから暫くの間、きみは入院生活を余儀なくされた。傷ついたのは身体だけではなく、その心もぼろぼろになって無気力な状態でただベッドに横たわっていた。見舞に行っても明らかな反応を見せることはなく、僕は毎日絶望と戦っていた。
目を開いても、ずっと虚空を見つめるきみの視界に、何か映して欲しいと心から望む。手を握って、僕の気配に気付いてほしい、と願う。
「あとはきみが目を覚ましてくれれば、僕にはもう望むものは何もないよ」
両手で握りしめたきみの手は、それでも何の反応も示さない。
このまま、このままきみが目覚めなければ、僕が守ってきたものが何なのかわからなくなる。
復讐と、遺恨は、すべてあの宇宙に置いてきた。
(あとはきみだけだ……)
心の底から、きみを失いたくないと願ったのは、四年前にきみがガンダムを追って宇宙に飛び出したあの時以来だ。
「きみはいつも、僕を心配させるね」
あの時だって、ぼろぼろになった身体を晒して帰ってきた。生きて帰ってきてくれた事だけが本当にうれしくて、うれしくて、身体の傷について心を痛めたのはその少し後の事だったけれど。あの時のきみはまだ、心までは壊れていなかった。
けれど、
(もしかしたら、あの時からすでに壊れていたのかもしれない…)
だけどもう、そんな事はどうでもいいんだ。きみが、笑ってくれれば。
(そうしたらまた、僕はきみに新しいモビルスーツを作ってあげるのに…)
人を殺す兵器を、もう二度と作るつもりはないと心に誓ったけれど。けれど、きみのためになら僕はいくらでもその誓いを破るつもりだ。
(きみが望むなら……)
>>>
グラハムとビリーの幸せなその後、を今度は書きたいです…。
恩師や、仲間を奪われ、自分の心もそんな戦いの中に投じてしまった。
最後に残ったのはぼろぼろに傷ついた心を抱えた自分と、傷ついた身体で横たわるきみの姿だけ。
「命があっただけでも、ありがたいと思うよ」
あの戦いの後、きみが宇宙空間に投げ出されて救援信号すら出さなかったと聞いた。酸素のなくなるコックピットの中で、君が何を考えていたのか。想像するだけでも恐ろしい。
きみはガンダムが現れてからと言うもの、常に自分をぎりぎりの状況に置いて、死と隣り合わせの覚悟を見せてきた。
きみは何も悪くはないのに、と僕はずっと思ってきたけれど、今ならわかる。悪くない人間なんていない。
生きていること。
それが、人間にとっての悪だ。
戦いが終わってから暫くの間、きみは入院生活を余儀なくされた。傷ついたのは身体だけではなく、その心もぼろぼろになって無気力な状態でただベッドに横たわっていた。見舞に行っても明らかな反応を見せることはなく、僕は毎日絶望と戦っていた。
目を開いても、ずっと虚空を見つめるきみの視界に、何か映して欲しいと心から望む。手を握って、僕の気配に気付いてほしい、と願う。
「あとはきみが目を覚ましてくれれば、僕にはもう望むものは何もないよ」
両手で握りしめたきみの手は、それでも何の反応も示さない。
このまま、このままきみが目覚めなければ、僕が守ってきたものが何なのかわからなくなる。
復讐と、遺恨は、すべてあの宇宙に置いてきた。
(あとはきみだけだ……)
心の底から、きみを失いたくないと願ったのは、四年前にきみがガンダムを追って宇宙に飛び出したあの時以来だ。
「きみはいつも、僕を心配させるね」
あの時だって、ぼろぼろになった身体を晒して帰ってきた。生きて帰ってきてくれた事だけが本当にうれしくて、うれしくて、身体の傷について心を痛めたのはその少し後の事だったけれど。あの時のきみはまだ、心までは壊れていなかった。
けれど、
(もしかしたら、あの時からすでに壊れていたのかもしれない…)
だけどもう、そんな事はどうでもいいんだ。きみが、笑ってくれれば。
(そうしたらまた、僕はきみに新しいモビルスーツを作ってあげるのに…)
人を殺す兵器を、もう二度と作るつもりはないと心に誓ったけれど。けれど、きみのためになら僕はいくらでもその誓いを破るつもりだ。
(きみが望むなら……)
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グラハムとビリーの幸せなその後、を今度は書きたいです…。
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