カメラ！カメラ！カメラ！ 2009/03/30_Mon_23:21

ビリーって写真とか大事にしちゃうタイプなんですよね。…少女趣味！（笑）

きみと暮らし始めたその日に、写真を撮った。部屋に飾るんだ、と言うときみは苦笑して、それから文句を言いたそうに口元を歪めたけれど、結局何も言わなかった。言っても無駄だ、と思ったらしい。
結局リビングには、その時に撮った写真と、ユニオンに所属していた昔一緒に撮った少し若い僕ときみの写真、それからフラッグファイターたちの写真が飾ってある。
雑貨店でいくつもフォトフレームを買ってきた僕にきみはまた何か言いたそうな顔をしていたけれど、何も言わない。多分、そんな僕を少女趣味だとか、子供みたいだとか、そんな風に思っていたんだろう。言うと僕の機嫌を損ねると思ったらしい。
職場に飾ってある写真についても、きみは特に何も聞かない。
ただ、きみは写真が好きなんだな、と言っただけで。それから、きみは僕にカメラをひとつプレゼントしてくれた。そんなに好きなら、たくさん撮って飾るといい。きみはもしかしたら、いやみで言ったのかもしれない。それでも僕は、僕のすることに文句をつけないきみの寛容さを尊敬していたし、趣味の違う人間に対しての心の広さに感心もしていた。
（…だけど少しくらいは、気にしてくれてもいいのに）
きみは僕に対しては無口だ。
心で思っていることの少しも、伝えてくれていないんじゃないかと思うくらいに、無口だ。
いつか、ガンダムを前に愛を告白した、そんなきみを僕の前でも見せてほしいと思っている。
「きみは結局、自分の満足するモビルスーツに乗れればなんでもいいんだよね」
きみに貰ったカメラはフィルムで撮影をする旧世代のカメラで、時々自分でメンテナンスをしないとすぐに壊れてしまう年代物だ。今日もカメラのメンテナンスをしながら、本を読んでいたきみの横顔に声をかける。
私に言ったのか？とでも言うような顔をして振り返ったグラハムに、そうだよ、と頷くときみは渋い顔をした。
「何だって、」
「きみは自分好みのモビルスーツを作ってくれる人だったらなんでもいいんだよね、って言ったんだよ」
カメラをじっと睨みつけたままで言った僕の言葉は、少し拗ねているように思われたのかもしれない。きみは今まで座っていた場所から僕の隣に席を移動した。三人掛けの少し長めのソファが狭くなる。僕はグラハムを少し避けるように位置をずらすと、きみはそのまま僕についてくるように座る位置を少し変えた。
「……なに」
邪魔なんだけど、ときみの方を見ると、きみは真っ直ぐに僕の前を見る。
「怒っているのかと思って」
「……きみは、怒っている人に嫌がらせのようについて回る趣味があるの？」
呆れて聞くと、そうか、と何かに納得したような顔をして俯いた。
確かに少し、怒っていたかもしれない。
手に持っていたカメラをローテーブルに置いて、きみの様子を伺うと、きみは本を広げてそれを黙って見ていた。暫くして僕の視線に気付いて、きみは僕のを見て微笑む。
「愛している。君の手を、」
きみの手が、僕の何も持っていない手をそっと握った。
「君の手も、その頭脳も、性格も。きみのすべてを、愛している」
きみがそう言いながら僕の手の甲をそっと撫でた。瞬間、心臓が大きく鼓動を打つ。
何を言っているんだ、と一瞬引きそうになった手をきみがぐっと掴んだ。
「……冗談、」
「怒っていたのは、きみだろう？」
僕が欲しかったのは、そんな歯の浮くようなせりふじゃなく、きみの心からの言葉だったのに。
結局からかわれているだけなのだと気付いて、すぐに手を引っ込めた。だけど心臓は僕の頭からの信号をなかなか受け取ってくれない。しばらくどきどきして、収まらなかった。
「……趣味の悪い冗談だ」
吐き捨てるように言った僕の言葉も、きみは笑って受け流してしまった。ひどい男だ。
メンテナンスの途中だったカメラをもう一度手に持って、きみの方にレンズを向けた。
（近すぎてピントが合わない…）
多分、きみの心もそうなのだと、思う。










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最終回を見るにつけて、こいつらは同居（同棲ではなく！）をしているんじゃないのか…グラハムは仕事終わりにビリーを呼びにきたのではないのか…と思ってしまう（笑）なんで後ろにそっと立っているのか！とゆーところですよね…。
なんかもうビリーがかわいすぎて抱きしめたくなる！！
…って、グラハムもおもっていればいいのに。いや、思っていることにしておこう！（笑）