おかえり！ 2009/03/30_Mon_00:32

それで結局どうやってあのふたりは無事帰還したんだろう…（笑）

きみの顔を見た時に、本当に久し振りだと心の底からの声が出た。きみと別れてまだ一日も経っていない。なのにどうしてそんな風に言うのか。僕も自分で驚いたけれど、きみは少しも不思議な顔をしていなかった。
あの、きみの美しい顔を覆っていた仮面は割れてしまったのだと小さく笑って、僕に手を差し出した。
「……きみの目的は、果たしてきたのだな」
そう、小さく言ってくれた。
僕はその時になって改めて胸の奥が鈍く痛んだ。苦しくて出てきた痛みじゃない。きみの言葉に、優しい態度に、涙が出そうになって、それで胸の底のところが痛くなったんだ。
顔が、晴れている。
少し笑っているような声で、きみは僕の耳元でささやくように言ってきた。
「そうかな、」
照れ隠しに視線を外して、笑った。
心の中のもやもやが晴れたのだと、自分でも思ったけれど、それが本当にいい事なのか、悪いことなのかは、わからない。
ただ、一つの事に決着がついただけで。
「…きみも、無事でよかった」
一時、きみの機体の認識をロストした時間があったのだと、あとで聞いて背筋が凍った。稼働を止めたモビルスーツを拾ってくれたのは正規軍のモビルスーツだ。エンジンの止まった機体の中で、きみが何を考えていたのかはわからない。
だけどきみの瞳には、宇宙の暗さに負けないひかりが宿っていた。そうか。きみはあの暗い宇宙にただ一人残されても、見えていたものは希望の光だったのだ。
（やっぱり、グラハムは強い）
彼が居てくれて、生き残ってくれて、良かったと思う。
僕は多分、ひとりきりでは生きていけない。きみがいなきゃ、多分前には進めない。
「お帰り、グラハム」
改めて手を差し伸べると、きみは二度目の握手を笑顔で受け取ってくれた。そのまま手を引き寄せて、背中を抱かれる。ノーマルスーツ越しの抱擁が、とても、とても温かかった。
涙がこぼれそうになるのをこらえながら、ぐっと閉じた瞼の奥で未来の姿を想像する。
ふたりでどこかの田舎で平和に暮らそう、なんて現実離れした夢みたいなことは思わない。だけど、僕の隣にはきみが居て、君の傍には僕がいる。そんな、当たり前で単純明快な未来がいい、と僕は心から思った。
心から、願った。
世界の平和を願うよりも、強く。強く。










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そしてこのあとビリーはスメラギさんと一緒に撮った写真をグラハムに見せて、グラハムにむっとされればいい（笑）