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ビリーはどうやったら幸せになれるのかな、って考えていて、結局ぼろぼろになってしまったビリーでもいいんじゃないのか、ってところに行き着いた。そんな、妄想です。
*****
ソレスタルビーイングとの戦闘の後、アロウズの本部できみと再会をした。ガンダムと交戦をしていたと言うアロウズの認識信号を載せた機体は僕が作った、きみが乗った機体だったのだろう。
僕はひとつ、思い違いをしていた。
きみは、新型のモビルスーツに乗せていればそれでご機嫌になれる男だと思っていた。要するに、グラハム・エーカーと言うお事を安く見ていたのだ。
だから、きみに再会をした時はきっと晴れやかな笑顔をしていると思っていた。けれど、違った。きみはまるで憎い仇に会ったような険しい表情をしていて、僕の目の前に現れた。
完成まで秘密にしていたギフトの事だろうか?それとも思っていたほど新型のモビルスーツはよくなかったのだろうか?
険しい顔をしたまま僕の目の前に立ち、そこをどいてくれようとしない。
「……やあ、」
お互いに命があっただけでも喜ばしい事態なのに、挨拶をした僕にきみはちらりとも表情を変えない。
「きみは、前線に居たそうだな」
低い声で、グラハムが口を開いた。
一瞬、何を言われたのかわからなくて、「え?」と行き返すようなしぐさをすると、きみはもう一度言った。
「聞かれたことに答えろ。きみは、前線に居たそうだな」
声が震えている。本気で、怒っているような口ぶりだ。
そう言えば、僕はきみを送り出した後の事まではきみに報告をしていなかった。言えば、きっと反対されると思っていたからだ。
何もかもが終われば、終わっていれば、こんなに怒ることもないはずだ、と僕は甘い予想を立てていた。そして、前述のように僕はきみに新しい機体を与えれば、他の事には盲目になるだろうと思っていたのだ。
余りにも、きみをバカにしていた話だ。
(……怒るのも、当たり前か…)
やっと怒りの所在を思い知って、僕はきみの険しい視線から目を逸らした。真っ直ぐに目を見ていられない。
それでも僕の口から答えを聞こうとするきみに、しぶしぶ口を開いた。
「…居たよ。ソレルタルビーイングを、この目で見たくて」
僕が言い終わるか、終わらないか、ぎりぎりのタイミングでガアン、と大きな音が響いた。そのあと、僕のつま先に何かがあたる。きみが力任せにヘルメットを廊下に叩きつけた音だと知るのにそう時間はかからなかった。
肩が震えている。
「……私は、信用がないのか」
腹の底から絞り出したような悲痛な声が、僕の耳を突き刺す。
その時やっと、僕は彼のプライドを傷つけたのだ、と悟った。けれど、それはもう取り返しのつかないことだ。
ちがうよ、と言葉だけで否定はしたけれど、勿論そんな言葉を聞き入れてはくれない。
「そんなに私を、きみが作ったモビルスーツを、信じられないのか!?」
睨みつけられたきみの視線に、僕は金縛り状態になる。怖くて、反論もできなかった。
違うよ。僕には、僕なりの理由があって、そうしたんだ。
心の中で繰り返す言葉は、もちろんきみには届かない。
(ごめん…)
きみの本分を忘れていた。仲間たちの仇を討ち、仲間を守る。その為に戦っているのに。
(ごめんね…グラハム…)
きみは小さくため息を吐いて、僕の隣をすり抜けて歩いて行った。
僕は、自分の勝手な思い込みで、好きな人も、親友も、失ってしまうのかもしれない。
(どうすればいいんだ……)
あの日。
きみと一緒にAEUの新型の演習を見に行った日。あの日からすべて変わってしまった。僕は、もう一度大事なものを取り戻すことができるのだろうか。
>>>
ビリーには本当に幸せになってほしいと思っているけど、あいつはどこで何をしているのか、と問いただしたくなる。ホーマーおじさんはそんなビリーを見ていてそわそわしないのだろうか(笑)
今度はホーマーおじさんにべったべたに甘やかされているビリーが書きたいです。
僕はひとつ、思い違いをしていた。
きみは、新型のモビルスーツに乗せていればそれでご機嫌になれる男だと思っていた。要するに、グラハム・エーカーと言うお事を安く見ていたのだ。
だから、きみに再会をした時はきっと晴れやかな笑顔をしていると思っていた。けれど、違った。きみはまるで憎い仇に会ったような険しい表情をしていて、僕の目の前に現れた。
完成まで秘密にしていたギフトの事だろうか?それとも思っていたほど新型のモビルスーツはよくなかったのだろうか?
険しい顔をしたまま僕の目の前に立ち、そこをどいてくれようとしない。
「……やあ、」
お互いに命があっただけでも喜ばしい事態なのに、挨拶をした僕にきみはちらりとも表情を変えない。
「きみは、前線に居たそうだな」
低い声で、グラハムが口を開いた。
一瞬、何を言われたのかわからなくて、「え?」と行き返すようなしぐさをすると、きみはもう一度言った。
「聞かれたことに答えろ。きみは、前線に居たそうだな」
声が震えている。本気で、怒っているような口ぶりだ。
そう言えば、僕はきみを送り出した後の事まではきみに報告をしていなかった。言えば、きっと反対されると思っていたからだ。
何もかもが終われば、終わっていれば、こんなに怒ることもないはずだ、と僕は甘い予想を立てていた。そして、前述のように僕はきみに新しい機体を与えれば、他の事には盲目になるだろうと思っていたのだ。
余りにも、きみをバカにしていた話だ。
(……怒るのも、当たり前か…)
やっと怒りの所在を思い知って、僕はきみの険しい視線から目を逸らした。真っ直ぐに目を見ていられない。
それでも僕の口から答えを聞こうとするきみに、しぶしぶ口を開いた。
「…居たよ。ソレルタルビーイングを、この目で見たくて」
僕が言い終わるか、終わらないか、ぎりぎりのタイミングでガアン、と大きな音が響いた。そのあと、僕のつま先に何かがあたる。きみが力任せにヘルメットを廊下に叩きつけた音だと知るのにそう時間はかからなかった。
肩が震えている。
「……私は、信用がないのか」
腹の底から絞り出したような悲痛な声が、僕の耳を突き刺す。
その時やっと、僕は彼のプライドを傷つけたのだ、と悟った。けれど、それはもう取り返しのつかないことだ。
ちがうよ、と言葉だけで否定はしたけれど、勿論そんな言葉を聞き入れてはくれない。
「そんなに私を、きみが作ったモビルスーツを、信じられないのか!?」
睨みつけられたきみの視線に、僕は金縛り状態になる。怖くて、反論もできなかった。
違うよ。僕には、僕なりの理由があって、そうしたんだ。
心の中で繰り返す言葉は、もちろんきみには届かない。
(ごめん…)
きみの本分を忘れていた。仲間たちの仇を討ち、仲間を守る。その為に戦っているのに。
(ごめんね…グラハム…)
きみは小さくため息を吐いて、僕の隣をすり抜けて歩いて行った。
僕は、自分の勝手な思い込みで、好きな人も、親友も、失ってしまうのかもしれない。
(どうすればいいんだ……)
あの日。
きみと一緒にAEUの新型の演習を見に行った日。あの日からすべて変わってしまった。僕は、もう一度大事なものを取り戻すことができるのだろうか。
>>>
ビリーには本当に幸せになってほしいと思っているけど、あいつはどこで何をしているのか、と問いただしたくなる。ホーマーおじさんはそんなビリーを見ていてそわそわしないのだろうか(笑)
今度はホーマーおじさんにべったべたに甘やかされているビリーが書きたいです。
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