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って思うたびに、自分で自分に暗示をかけているのかな…って思い始めた(笑)
いや、客観的に見てもかっこいいと思うんだよ。
いや、客観的に見てもかっこいいと思うんだよ。
*****
デスクの上の紙片を見て、思わず顔が緩む。そのままの顔で外に出ているなんて自分ではわからなくて、廊下で声をかけてきたグラハムが笑っているのを見て初めて気付いた。
「ご機嫌がいいみたいだな」
呆れたような顔をしているグラハムのご機嫌は、そう良くもないみたいだ。ここのところの彼の不機嫌の原因は、恐らく最新型戦闘機の量産化の計画がうまく進んでいないことにたいする苛立ちからだろう。その点は僕も同意をしなければならいないところだろうけれど、その当事者の僕がにやにや笑っているので余計に彼の気分を害してしまっているようだ。
(ごめん…と言うのもおかしいな…)
とにかく、にやけていた顔を元に戻して、グラハムにご機嫌を伺う。返答は、思ったとおりのものだった。やっぱり、謝った方がいいかもしれない。
「…グラハム、」
「きみのご機嫌のわけは知っている」
ごめんね、と言いかけた僕の言葉にかぶせてきた声は、自信に溢れた一言だった。一瞬、言葉の意味がわからなくて変な顔をして「なに?」と聞いてしまった。グラハムは僕のその表情を見て、満足げな表情を浮かべた。
「今日、きみのところにハガキが届いていたな。いかにも旧世代的な」
それは、さきほどデスクの上に置いてあったものだ。
ただ、どうしてそれを彼が知っているのかは理解できない。僕はますます眉間の皺を深くして、ますます変な表情になる。そして、グラハムはいかにも楽しそうににっこり笑う。
「きみの事なら、なんでも知っている」
うそつけ。
反射的に声にならないせりふが胸に浮かぶ。きみは僕のそんな顔をしてますます笑顔になる。
気に入らない会話だ。
むっとした表情がやっとグラハムに届いたのか、彼は笑顔を元に戻して、すまない、と一言口にした。
「本当は、あのハガキを配達していた者に聞いた」
「……」
「きみの居場所を聞かれたから、答えたまでだ」
僕の不審な視線に、漸く彼がその全貌を種明かしした。ついでに、あのハガキを僕のところまで持ってきてくれたのは彼らしい。
「見たのは宛名と差出人だけだ」
そこまで白状する彼は、本当に馬鹿正直なやつだ。
「差出人は…」
「学校の同級生だよ」
女性の名前があったので、浮かれている原因だと見たんだろう。彼の推測は当たっている。
だけどグラハムにそんな風にからかわれる覚えはない。確かに僕の顔はだらしなく歪んでいたかもしれないけれど。
むすっとして口を閉じてしまった僕に、彼は焦ったように付け足した。
「きみがあんまり嬉しそうだから、嫉妬をした」
グラハムの声が。いつも聞いているその声が、そんな事を言うので、思わず目を見開いて振り返ってしまった。
嫉妬してしまった、だなんて。
これ以上僕をからかうつもりなのか。そう言おうとして彼の顔を見ると、グラハムは至極真面目な顔をしていた。
「嫉妬って、」
「たかだかあんなハガキひとつで、嬉しそうにするから」
焦ったように、言い訳をするように、そう言うきみがかわいかった。
(グラハム…でもそれじゃあまるで…)
友達を奪われた子供みたいだ、と思った。けれどすぐにその考えが変わる。
それはまるで…。
(好きな人に、言ってるみたいに聞こえるよ)
笑いながら注意してやろうかと思ったけど。けれど、なんだかそう考えている自分に照れてしまってうまく言葉にできなかった。
(きみは本当に、人に勘違いをさせるのがうまい)
>>>
もうお前らは永遠に友情と愛情のあいだでうろうろするがいい!青春スーツを着続けるがいい!って思ってる。ビリーが大人なつもりでグラハムの前では全然子供なのがいい。
「ご機嫌がいいみたいだな」
呆れたような顔をしているグラハムのご機嫌は、そう良くもないみたいだ。ここのところの彼の不機嫌の原因は、恐らく最新型戦闘機の量産化の計画がうまく進んでいないことにたいする苛立ちからだろう。その点は僕も同意をしなければならいないところだろうけれど、その当事者の僕がにやにや笑っているので余計に彼の気分を害してしまっているようだ。
(ごめん…と言うのもおかしいな…)
とにかく、にやけていた顔を元に戻して、グラハムにご機嫌を伺う。返答は、思ったとおりのものだった。やっぱり、謝った方がいいかもしれない。
「…グラハム、」
「きみのご機嫌のわけは知っている」
ごめんね、と言いかけた僕の言葉にかぶせてきた声は、自信に溢れた一言だった。一瞬、言葉の意味がわからなくて変な顔をして「なに?」と聞いてしまった。グラハムは僕のその表情を見て、満足げな表情を浮かべた。
「今日、きみのところにハガキが届いていたな。いかにも旧世代的な」
それは、さきほどデスクの上に置いてあったものだ。
ただ、どうしてそれを彼が知っているのかは理解できない。僕はますます眉間の皺を深くして、ますます変な表情になる。そして、グラハムはいかにも楽しそうににっこり笑う。
「きみの事なら、なんでも知っている」
うそつけ。
反射的に声にならないせりふが胸に浮かぶ。きみは僕のそんな顔をしてますます笑顔になる。
気に入らない会話だ。
むっとした表情がやっとグラハムに届いたのか、彼は笑顔を元に戻して、すまない、と一言口にした。
「本当は、あのハガキを配達していた者に聞いた」
「……」
「きみの居場所を聞かれたから、答えたまでだ」
僕の不審な視線に、漸く彼がその全貌を種明かしした。ついでに、あのハガキを僕のところまで持ってきてくれたのは彼らしい。
「見たのは宛名と差出人だけだ」
そこまで白状する彼は、本当に馬鹿正直なやつだ。
「差出人は…」
「学校の同級生だよ」
女性の名前があったので、浮かれている原因だと見たんだろう。彼の推測は当たっている。
だけどグラハムにそんな風にからかわれる覚えはない。確かに僕の顔はだらしなく歪んでいたかもしれないけれど。
むすっとして口を閉じてしまった僕に、彼は焦ったように付け足した。
「きみがあんまり嬉しそうだから、嫉妬をした」
グラハムの声が。いつも聞いているその声が、そんな事を言うので、思わず目を見開いて振り返ってしまった。
嫉妬してしまった、だなんて。
これ以上僕をからかうつもりなのか。そう言おうとして彼の顔を見ると、グラハムは至極真面目な顔をしていた。
「嫉妬って、」
「たかだかあんなハガキひとつで、嬉しそうにするから」
焦ったように、言い訳をするように、そう言うきみがかわいかった。
(グラハム…でもそれじゃあまるで…)
友達を奪われた子供みたいだ、と思った。けれどすぐにその考えが変わる。
それはまるで…。
(好きな人に、言ってるみたいに聞こえるよ)
笑いながら注意してやろうかと思ったけど。けれど、なんだかそう考えている自分に照れてしまってうまく言葉にできなかった。
(きみは本当に、人に勘違いをさせるのがうまい)
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もうお前らは永遠に友情と愛情のあいだでうろうろするがいい!青春スーツを着続けるがいい!って思ってる。ビリーが大人なつもりでグラハムの前では全然子供なのがいい。
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