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8話の騒動の後で子ウサギみたいにぷるぷる震えてたらかわいいなって思ったんですよ。
…誰って、ビリーが…。



 *****

ソレスタルビーイングだ。
口にした言葉に自分自身で興奮して、今もまだそれが収まらないでいる。
せっかくのパーティを台無しにした僕に、おじさんはそれでも優しくしてくれた。今も、顔を白くさせたままで動けない僕のそばに居てくれる。
そして、何も聞かないでいてくれる。
どうして彼の事を知っているのか。
ソレスタルビーイングのメンバーの顔を傍で見たことがある人間は限られている。それだけ貴重な情報であると、僕も分かっているし、もちろんおじさんだってその情報が手に入るのであればなんとかしたいと思っているだろう。
だけど、おじさんは何も聞かないでいてくれる。
「ビリー、大丈夫かい」
僕の手に水の入ったグラスを握らせて、小さい震えが止まらない肩に自分の上着をかけてくれた。
手に持ったグラスの水面が揺れる。
あの時。怒りで視界が揺らいだあの時と同じように、揺れる。
(……ガンダムが…)
僕から、何もかもを奪ったあの組織。もう一度対峙した時に、どうすればいいのか、僕はどうするのか、ずっと考えていた。ずっと考えていたけれど、現実にそれを目の前にした僕はただの無力な人間だった。
強くなりたいと願って、揺るがない意志を作ったつもりだったのに。それでも感情に左右される。
咄嗟の時に、何もできない。
瞼の裏に、あの時の光景がよみがえる。
去ってゆく彼女の背中。動けなかった両足。引き留めることもできなかった手。
いま、震えているのは恐怖や、その他の曖昧な感情からじゃない。
ただ、純然とした怒りがあるだけだ。
「ビリー、」
おじさんの手が僕の肩に触れる。
そこで、現実に引き戻された。もう、視界には彼女の背中はない。彼女を連れ去ったあの少年のまっすぐな視線も。
「大丈夫だよ。おじさん」
顔をあげて、微笑んだ。
おじさんは僕のその顔を見て、ほっとしたような表情を浮かべる。
いつまでも、子供扱いだ。
けれど、今はそれがありがたい。おじさんは僕の感情を考慮して、今は何も聞かないでいてくれる。
(強くなりたいよ。…きみのように…)
強くなりたい。そう願うたびに、彼の後ろ姿を思い出す。真っ直ぐに伸びた背中。迷いのない視線。真っ白の、パイロットスーツ。
彼の事を思い出して、やっと震えがおさまった。真っ直ぐに背中をのばして立ち上がる。
「おじさん、仕事に帰ります」
肩にかけられていた上着を差し出して言うと、おじさんはまだ少し休んでいけ、と目で訴える。
「そんな暇、ないよ」
そう言いながら、きみの表情をまねしたんだ。

 


強くなりたい。だけど、なりきれない。そんなとき、いつもきみのまねをする。
そうすると、自分に自信がもてるんだ。
(安易だと…笑うかな)





>>>
おじさんはねえ、ビリーが大事なんだよ!だからきっと8話の騒動の後ですぐにビリーを保護しに行ったに違いない。そんな妄想。

さたさんはあれですか。こんなビリーでいいですか…。

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