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ブシドーはあんまりかわいいとかそんな風に思っちゃだめな気がする。…気がしているだけなんだけど。




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ガンダムと久し振りに戦闘をし、この四年間の鬱積した思いは昂る激情に変化した。けれど戦闘を終えて帰ってきても、そこには昔のままの光景はない。
破損したアヘッドの修復に時間を要すると言う。いつでも出撃できる体制にしておいてくれ、と言うのは簡単だがそれをする人間には能力の限界だと私の希望は一蹴される。
きみが居てくれれば…
と、思わないことはなかった。
自分にあてがわれた部屋に戻ると、仮面を外して小さな簡易ベッドの上に横になる。狭い戦闘艦の中に一人だけの部屋をあてがってくれているのも特別扱いだ、と誰かまた低い声で言うのだろうか。
服を着たままベッドの上で身体を小さく折り曲げると、またきみの事を思い出した。
ガンダムが現れたその現場をふたりで目撃してから、私たちはいつも行動を共にしていた。最期の、あの日まで。
彼が今どこで何をしているのか、本当に何もわからない。ガンダムが再び現れた今、彼にもう一度ともに戦ってほしいと願っている。その願いは、届かないとわかっているけれど。
(…カタギリ……)
醜い傷のついた顔に、手をあてる。手袋をしているのでその傷に触れても手の方には何の感触もないし。けれど、直に触ればそこだけ皮膚の組織が醜く歪んでいることを嫌でも意識するだろう。
こんな姿をきみの前には晒せない。
悔しいのか、悲しいのかわからない感情が、胸の奥から込み上げてきた。泣きたいような気持になるのは、きみの事を考えたときだけだ。他の事に対して、こんな気持ちになることは一度だってなかった。
無様な姿になっても。屈辱の中で生を選んだときも。こんな、泣きたくなるような気持ちになることはなかった。
ただ、きみの事だけだ。
きみの事を考えると、忘れていた感情が蘇る。涙が、溢れそうになる。
熱くなった目元に手をやって、その手を広げて覆う。
(カタギリ、きみに触れたい)
モビルスーツに乗ると、いつも見る夢がある。きみが、背中を向けてどこかに走り去ってしまう。私はそれを追いかけるけれど、いつまで経っても追いつけない。焦燥感の中で眼を覚まし、そして現実にも触れることのできないきみを思い出して、また落ち込んだような気持ちになる。
本当は、触れたかった。
四年前にそうしなかったのは、どうしてなのか自分でもわからないくらいに、彼に触れたい。冗談で手を回していた腰に、肩に、もう一度触れたい。あの骨の細い体に触れて、もうどこにも行かないで、と懇願したい。
それが、愛の告白のように取られても構わない。
ぐ、と手を握りしめた。
叶わない願いを持ち続けることの虚しさはわかっているつもりだ。だけど今、彼に会いたい。その身体に触れたい。
彼が、私を見てどんな風に思っても構わないから。





>>>
ビリーとブシドーが早く再会できますように!
できれば年内には…。
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