[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
いや、友情でなくてもかまわない…(笑)
*****
アロウズの制服に初めて袖を通した時、鏡に映る自分に随分違和感を感じた。こんな姿、想像することもできなかった。鏡にそっと手を伸ばして、ずっとちからの入っていた眼のあたりに触れてみた。
きみの手を、思い出しながら。
「似合わないな」
自分でも思っていたことだったけれど、きみのはっきりとした言葉で全否定されると、それはそれで少し傷つく。ああ、でもやっぱり似合っていなかったんだ。
アロウズの深緑の制服を着ている僕を見て、グラハムがそうきっぱりと言い放った。いや、グラハムではなく今はミスターブシドー。
そんな変な陣羽織に仮面をつけているきみに言われたくはいない。そう、心の中では思っていたけれど否定はできなかった。
「……そうかな。おじさんには似合っていると言われたんだけど」
そのあとすぐに、軍服が似合うのは少し問題があるがな、と小さく笑っていたけれど。
肯定的な言葉を使うおじさんに、グラハムは少し抵抗があるのか
「きみのおじさんは、きみに甘い」
と反論してくた。
「きみは…厳しいね」
モビルスーツのカスタムを一週間しか待てない、と言ってみたり。GNドライヴを無理やりフラッグに積んでみたり。きみの僕に対するやり方は、いつでも厳しい。
(…いや、僕限定ではなかったかな…)
自分に対しても厳しい人だからね。僕にそう言う裏で、自分にだって思い枷を付けているのだと思う。
それにしても、その「似合わない」の言葉は僕を少なからず傷つける。
「だって、昔着ていたようなラフな格好はするな、と言われたから」
アロウズは新世界連邦軍の精鋭部隊だ。だらしない格好をするんじゃない、とおじさんに言われた。僕だってこんな首のつまった服を着るのは気に入らないけど、この制服を着なきゃ仕事ができないんだから、仕方ないじゃないか。
むっとした顔をして俯くと、グラハムは僕の真正面に立って、手袋をはめた手をさっと僕に差し出した。
「きみに軍服は似合わない。すぐに、そんなものを着なくてもいい世界に、変えてやる」
視線の先にあるきみの手が、僕の手を誘っている。やさしい、温かい手。
「わかった。きみがガンダムを倒す時まで、僕はこの似合わない制服を着続けるよ」
似合わない、と言うところを強調しながら顔をあげると、視線を合わせたきみがふふ、と笑った。
仮面に隠れて表情の大半は見えなかったけれど、僕にはその奥のきみに表情が見えるよ。きれいなグリーンの目が、笑っている。いつまでも変わらない、優しい光をもって。
>>>
グラハムはあんまりものをはっきり言いすぎて、時々ビリーがむっとしていればいい。でもビリーってむっとしてもグラハムには喧嘩をしかけたりしなさそうだよね…。って、そんなあほなことしかもう思い浮かばない…。幸せになれよお前ら…。