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なんかグラビリでエロとか書いていいんですかね…と誰ともなく聞いてみる。
とりあえず今回はエロではないです。
*****
きみと一緒に暮らしているこのアパートには、寝室がひとつしかない。そしてひとつしかない寝室にはダブルベッドがひとつだけ置かれている。
男がふたりで住んでいる部屋にダブルベッドを入れたと聞いたときに、運送業者とはちあわせをしなくて良かった、と僕は心から思った。けれどきみはそんな事をまるで気にしない顔で、僕の話を笑って流した。
僕が寝室に入る時、きみは大抵先に眠っている。電気を消した部屋の中で、すやすやと規則正しいきみの寝息だけが聞こえる。僕はその暗い部屋に足を踏み入れて、電気をつけずにベッドまで移動する。
入口に近いほうを空けてくれているので、手さぐりで掛け布団をはがすと、その中に身体を入れる。きみは僕の気配に気付かずに、そのまま寝続ける。
僕は最初、そんな小さな行為でも遠慮をしてしまって、寝るのが遅くなった時はリビングのソファで寝ていた。毛布をかけてソファで寝て、そして朝になってきみが起こしてくれて、そのまま怒られる。折角ダブルベッドにしたのに、意味がない!と言われた。
きみが自分で意味のわからない事をしているんじゃないか。そう言って反論をしたけれど、きみの中でダブルベッドは正しい選択だったらしくそのあとも自分が正しい事に関する演説を聞かされて、結局僕の方が折れる事になった。
大体、グラハムに説教で勝つ事なんてできっこないのだ。反論をした僕がばかだった。
とにかく、僕は暗い部屋を手さぐりで歩いてベッドに潜り込む。きみはたいて仰向けに寝ている。寝がえりを打ってもしばらくすると元の姿勢になる。寝相もそんなに悪い方じゃない。ダブルベッドをシェアする相手としては多分、理想的な相手だろう。
僕はと言えば、足をかかえて俯けに寝るのが常なので、顔をどちらに向けようか毎日毎日悩んでいる。
きみの寝ている顔を見るのは好きなんだけど、寝る前にメガネをはずしてベッドに入っているので、よほど近付かないときみの顔は見えない。それに、そんなに近付いて見ていて不快な想いをされるのは嫌だな、と思う。
なので、最近は膝を抱えるようにしてきみに背中を向けて寝ている。
そうして、しばらく暗闇の中に響くきみの寝息だけを聞く。眠い時も、寝つきが悪い時も、きみの寝息を聞いているうちに催眠術の振り子を見せられたみたいになって眠りについてしまう。
時々、きみの寝息がこちらに向く。
寝返りをしているのだなあ、と分かっているのに、そんな時は妙に目が冴えてしまう。首筋のあたり、すぐそこにきみの気配を感じて鼓動が速くなる。
ひとつ、ふたつ、
そんな時も、できるだけ目を閉じてきみの寝息の数を数えている。この緊張が、眠っているきみに伝わってしまわないように。
(すき…、だいすき…、)
だけど、口に出さない気持ちを胸の中で繰り返す。
きみと暮らし始めてからずっと、消えない雪が降り積もるみたいに、こんな気持が積み重なっていく。
だけどとてもきみには言えない。
すき、だいすき、
少し、身体を動かすだけできみに触れる事ができる。
ひとつ、ふたつ、
きみの呼吸を計りながらタイミングを見ているけれど、結局僕は自分では何もできないのだ。きみの方に振り向くだけの、小さな動作でさえ。
そうして、夜は更けていく。
>>>
グラハムとビリーはお互いに良い歳なので、お互いを尊敬して大事にしている、と言うのが基本スタンスなんですが。自分はもえるんだけど読んでる人はどうなんだろう…とも思います(笑)まあどっちでもいいか!
なんかもうあれです。エロが読みたいです。自分で書きます。自分で書くと全然エロくならないので大変残念なんですが。
男がふたりで住んでいる部屋にダブルベッドを入れたと聞いたときに、運送業者とはちあわせをしなくて良かった、と僕は心から思った。けれどきみはそんな事をまるで気にしない顔で、僕の話を笑って流した。
僕が寝室に入る時、きみは大抵先に眠っている。電気を消した部屋の中で、すやすやと規則正しいきみの寝息だけが聞こえる。僕はその暗い部屋に足を踏み入れて、電気をつけずにベッドまで移動する。
入口に近いほうを空けてくれているので、手さぐりで掛け布団をはがすと、その中に身体を入れる。きみは僕の気配に気付かずに、そのまま寝続ける。
僕は最初、そんな小さな行為でも遠慮をしてしまって、寝るのが遅くなった時はリビングのソファで寝ていた。毛布をかけてソファで寝て、そして朝になってきみが起こしてくれて、そのまま怒られる。折角ダブルベッドにしたのに、意味がない!と言われた。
きみが自分で意味のわからない事をしているんじゃないか。そう言って反論をしたけれど、きみの中でダブルベッドは正しい選択だったらしくそのあとも自分が正しい事に関する演説を聞かされて、結局僕の方が折れる事になった。
大体、グラハムに説教で勝つ事なんてできっこないのだ。反論をした僕がばかだった。
とにかく、僕は暗い部屋を手さぐりで歩いてベッドに潜り込む。きみはたいて仰向けに寝ている。寝がえりを打ってもしばらくすると元の姿勢になる。寝相もそんなに悪い方じゃない。ダブルベッドをシェアする相手としては多分、理想的な相手だろう。
僕はと言えば、足をかかえて俯けに寝るのが常なので、顔をどちらに向けようか毎日毎日悩んでいる。
きみの寝ている顔を見るのは好きなんだけど、寝る前にメガネをはずしてベッドに入っているので、よほど近付かないときみの顔は見えない。それに、そんなに近付いて見ていて不快な想いをされるのは嫌だな、と思う。
なので、最近は膝を抱えるようにしてきみに背中を向けて寝ている。
そうして、しばらく暗闇の中に響くきみの寝息だけを聞く。眠い時も、寝つきが悪い時も、きみの寝息を聞いているうちに催眠術の振り子を見せられたみたいになって眠りについてしまう。
時々、きみの寝息がこちらに向く。
寝返りをしているのだなあ、と分かっているのに、そんな時は妙に目が冴えてしまう。首筋のあたり、すぐそこにきみの気配を感じて鼓動が速くなる。
ひとつ、ふたつ、
そんな時も、できるだけ目を閉じてきみの寝息の数を数えている。この緊張が、眠っているきみに伝わってしまわないように。
(すき…、だいすき…、)
だけど、口に出さない気持ちを胸の中で繰り返す。
きみと暮らし始めてからずっと、消えない雪が降り積もるみたいに、こんな気持が積み重なっていく。
だけどとてもきみには言えない。
すき、だいすき、
少し、身体を動かすだけできみに触れる事ができる。
ひとつ、ふたつ、
きみの呼吸を計りながらタイミングを見ているけれど、結局僕は自分では何もできないのだ。きみの方に振り向くだけの、小さな動作でさえ。
そうして、夜は更けていく。
>>>
グラハムとビリーはお互いに良い歳なので、お互いを尊敬して大事にしている、と言うのが基本スタンスなんですが。自分はもえるんだけど読んでる人はどうなんだろう…とも思います(笑)まあどっちでもいいか!
なんかもうあれです。エロが読みたいです。自分で書きます。自分で書くと全然エロくならないので大変残念なんですが。
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