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マスラオは来週出撃しますか?!
早く動いているところが見たい!
とゆーわけで久しぶりのコネタ…。



 *****
きみが新型モビルスーツで出撃する前の少しの時間、一緒に並んで座った。コーヒーのマグカップを持っていつ僕には以前よりも少しだけ余裕がある。
けれど、こうしているとあの時の事を思い出す。きみが宇宙にあがって二度と戻っては来ないんじゃないかと考えていたあの時の事を。
黙っているきみも、もしかしたら同じことを考えているのかもしれない。ちらりと覗き見た横顔は、だけど仮面に隠されて表情を伺うことはできない。
以前のように暗く沈むような戦況ではないはずだ。沈黙に耐えかねて口を開こうとした僕を、きみが急に振り返った。
「カタギリ、」
名前を呼ばれて、はっとする。
四年前のあの日の事を、思い出す。
あの時ときみの様子はずいぶんかわってしまったけれど、きみは仮面の下で微笑んでいた。綺麗に光るみどりの眼を細めて。
その顔を見て、僕はある失敗を思い出した。四年前のあの日。
僕は何十時間も働き続けた所為で頭の回線を少し違うところにつないでしまったんだ。
出撃するきみを引き寄せて、口づけをした。子どもみたいに頬をすり合わせて、帰ってきてね、と囁いた。必ず、必ず、帰ってきてね、と囁いた。
その事を知っているのは、僕ときみだけだ。きみが帰ってこなければ、あの事実はやみ葬られるはずだった。なのに、きみは帰ってきた。帰ってきて、また同じように戦いに赴こうとしている。
今の今まで忘れていたんだ。忘れたかったんだ。あんな、恥ずかしい事。あれは今まで生きていた中で一番の失敗だ。
恥ずかしい思い出に思わず苦い顔をする僕に、きみはさっきから頬笑みを絶やさない。
「カタギリ、」
ふふ、と笑っている顔のままで手を差し出して、僕の手を取る。あの時僕がしたように、身体を抱いて頬をすりよせた。
「また、お願いしてもいいかな」
遠慮がちに、だけど容赦のないきみの声が耳に届く。恥ずかしくて顔を赤くしている僕を傍で見ているはずなのに、この男は平気な顔をしてこんな意地悪をする。
「グラハム…もうあんな子供みたいな真似はしたくないよ」
苦笑して身体を離そうとしても、きみは手を離してくれない。どうあっても、キスをさせる気だ。本当に、イジワルな男だ。
身体を少し離して、顔を覗き込んだ。仮面の奥の視線がまっすぐに僕の眼を見ている。刺すような視線。さっきまでも、笑っている表情はどこにもない。
(きみはまた……)
いつも、そうだ。
帰ってくる気のない出撃を、またしようとしている。だったら僕も腹をくくろう。きみが帰ってこなければ、僕のこの行為は闇に葬られる。
(そんな事、望んでいないけど…)
ゆっくりと瞼を閉じる。胸の中で、何度も願う。帰ってきてね。必ず、必ず、帰ってきてね。
そして、こんな僕を笑ってほしい。
いつまでも、傍で笑ってほしい。





>>>
本篇のビリーを見ているとどうにも涙が出てくるので、あの子には別の形の幸せを追っかけてほしいと思っています。新型が完成するまで一緒にいたその仮面の男に心奪われればいいじゃない!!って思った(笑)ブシドーさん邪魔じゃなかったんですかね…。
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