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風邪をひいてしまいました。

久し振りの更新に拍手をありがとうございました!
またちょくちょく更新をしていきます。
…ただの妄想ですけど…。すみません…。




 *****

仕事中デスクに向かっている視界が少しぼやけたなあ、と思っていた。そう言えば、今日はいつにもまして食欲もないし、面白い事もあまり思い浮かばない。頭の芯がどこかぼんやりとしている、と思っていたら、どうやら風邪をひいてしまったらしい。
自宅に帰ってきみが少し怒っているような顔をしながら体温計を持ってきたところで漸くその可能性について認識した。
「きみは自分の体調管理もできないのか」
少し怒ったような口調でそう言いながら、体温計とビタミン剤が入っている瓶と、ミネラルウォーターのボトルを僕に押しつける。怒っている、と言うよりは、小さな子供を叱りつける母親の口調に近い。僕は少し笑いながら体温を測り、きみに体温計を渡した。
平熱よりもやや高めの数字を見てきみ僕の意見など聞く耳は持たない!と言った様子で、寝室への直行を命じる。その表情が仕事をしているときとまるで同じなので僕はもう一度笑った。
(しまった……)
笑った顔を見て、またきみが怒った。
そうだ、怒られてしまうのがわかっていて笑ったのだ。それは僕が悪い。
「喉は痛くないのか?気分は?」
笑ってしまったから怒っているのか、きみはきびきびした口調でそう聞きながら僕の手をひっぱり、ベッドの中に無理やり押し込んだ。まるで色気のないベッドインだ、と思うと余計に笑えてきたけれど、少しでも茶化すときみがまた怒りだすだろうからもう笑ったりはしなかった。
笑いをこらえるのには随分苦労したけれど。
どんなに医学が発達しても、二日酔いと風邪に効く即効性の薬はまだ開発されていない。きっとどちらも即効性の薬を作るほど重要だと思われてはいない体調不良の一種なんだろう。
僕はいつも高い位置で結んでいる髪の毛をほどいて、ベッドの中に入った。きみは病人を看病するのは慣れているんだ、と言った風情で僕をベッドの中に入れてからてきぱき行動してベッドのサイドボードに水とタオルを用意した。
「熱が上がって汗が出たら、拭くんだ」
小さな子供に言う口調だったので、僕はベッドの中からメガネを外されたぼやけた視界のままのきみに聞く。
「…なんだ、きみが拭いてくれるんじゃないのかい。グラハム」
わざとだ。わざと、拗ねるような口調で聞いた。けれど、きみはそれがわざとだなんて思わない。病人はそんな演技をしないと思っている。そこが、きみの良いところなんだけどね。
「……拭いて欲しいのかい」
その時のきみの表情が、どんなだったのかは分からない。とても知りたい事だったけれど、知る事ができなかった。とても、とても残念だ。
だけどきみは僕が寝てしまってからも、ずっと傍に居てくれた。汗が出たときに、額の汗くらいは拭いてくれたかもしれない。
それくらい、ずっと傍に居てくれた。
次の日、きみ自身が風邪をひいてしまって僕はその事を知った。
ばかだなあ、って笑うと、今度はきみも怒ったりしないで一緒になって笑った。そうか、きみも自分でばかだなって思ったんだね。









>>>
なんかもう細かいことはいいのでグラハムとビリーは同棲しているんだ!それでいいんだ!って思うことにしました。
そんな妄想をした風邪引きの夜でした。
ええ…風邪をひいているんです…。
もう治りかけです。
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