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ビリーがスメラギさんと一緒にいる間って、グラハムはもうアロウズに所属してたんだっけ??
*****
ビリー・カタギリが私の前から姿を消して随分経つ。時々、思い出したように電話がかかってくる以外に接触はない。
彼の叔父であるホーマー・カタギリに彼の話を聞くこともあまりない。家を出て行って、そのまま特に連絡もしてこないのだと言っていた。叔父としては、ビリーにアロウズ参加への誘いを一度断られてしまってから、連絡を取りにくいのだとも言っていた。変なところで遠慮をしてしまうのも、血縁者だからだろう。そして彼は、ビリーの事をとても可愛がっている。
ビリーの頼みだから、断れなかった。
そんな事が度々あったらしい。改造フラッグに疑似太陽炉を乗せた時も、傷付いた私を自宅に連れ帰った時も。
なので、私は今ビリーがどうしているのかを知らない。
会いたい、と思う事は誰にでもあるだろう。特に私の同僚で生きているのはもう彼だけになってしまった。アロウズに参加しろ、と無理に言うことはない。けれど、どこにいるのか、何をしているのか、それくらいは知らせてくれてもいいのに、と思う。
今日、久しぶりに携帯端末がきみの名前を表示した。通信を取ると、きみの少し疲れた声が耳に届く。
「やあ、元気にしてる?」
無理をしてい、元気に振る舞っているきみの表情が浮かぶ。あの、長くてきれいな髪はそのままなのか。思い描く記憶の中のきみはとても綺麗な人物で、恐らく記憶の中で美化されているのだろうと自分でも呆れてしまう。
「元気にしている。きみこそ、疲れているようだが」
気にかける言葉を口にすると、電話の向こうで小さく息をのむ音が聞こえた。
「……大丈夫だよ。確かに、少し疲れているけど…」
まいったなあ、と小さく口の中で呟いているのが聞こえた。
ビリーは今、友達と暮らしていると聞いていた。外で仕事ができないくらい、その友達の面倒を見ているのだと。
本当のところはわからなかったけれど、彼が疲れているようなのは事実だ。確かにその同居の友人の面倒を見ているらしい。
私も、きみに救われた。
酷いけがをして帰ってきて、もう二度とパイロットには戻れないだろう、と言われていた。そんな私を助けてくれたのは彼だ。優しくしてくれたのは彼だ。
だから、その優しさを他人に向けてほしくないなんてわがままは言えない。
(きみが…それでいいなら…)
心配はしているけれど、意見をするわけにはいかない。
「ねえ、グラハム」
電話口で黙ったままだった私を、彼が呼びかける。
「また、連絡してもいいかな」
恐る恐る訪ねてくる彼の声は、友達よりも遠い距離にいるものの声だった。
「構わない」
「そう、良かった」
ほっとした声。
安心したような、気の抜けた表情を思い浮かべる。少しだけ、心が温まる。
帰ってきてほしい。
一緒に、また空を目指したい。
喉まで出かかった声をぐっと飲み込んだ。耐えなければいけない。きみがいない孤独に。
「またね、グラハム」
「ああ、また」
目の前にいないきみを求めているこの心は、さみしいだけの気持ちなのか、それともきみだからそう思ってしまうのか。
(どちらにしても、きみは居ない…)
ビリー、きみはどう思っているのだろうか。きみも、こんな気持ちを感じているのだろうか。
魂が半分持っていかれたような、そんな気持ちを。
>>>
ビリーはグラハムにあこがれのような気持ちを抱いていて、グラハムはビリーに恋心を抱いて入ればいい(笑)って思っています。そんなスタンスです。
彼の叔父であるホーマー・カタギリに彼の話を聞くこともあまりない。家を出て行って、そのまま特に連絡もしてこないのだと言っていた。叔父としては、ビリーにアロウズ参加への誘いを一度断られてしまってから、連絡を取りにくいのだとも言っていた。変なところで遠慮をしてしまうのも、血縁者だからだろう。そして彼は、ビリーの事をとても可愛がっている。
ビリーの頼みだから、断れなかった。
そんな事が度々あったらしい。改造フラッグに疑似太陽炉を乗せた時も、傷付いた私を自宅に連れ帰った時も。
なので、私は今ビリーがどうしているのかを知らない。
会いたい、と思う事は誰にでもあるだろう。特に私の同僚で生きているのはもう彼だけになってしまった。アロウズに参加しろ、と無理に言うことはない。けれど、どこにいるのか、何をしているのか、それくらいは知らせてくれてもいいのに、と思う。
今日、久しぶりに携帯端末がきみの名前を表示した。通信を取ると、きみの少し疲れた声が耳に届く。
「やあ、元気にしてる?」
無理をしてい、元気に振る舞っているきみの表情が浮かぶ。あの、長くてきれいな髪はそのままなのか。思い描く記憶の中のきみはとても綺麗な人物で、恐らく記憶の中で美化されているのだろうと自分でも呆れてしまう。
「元気にしている。きみこそ、疲れているようだが」
気にかける言葉を口にすると、電話の向こうで小さく息をのむ音が聞こえた。
「……大丈夫だよ。確かに、少し疲れているけど…」
まいったなあ、と小さく口の中で呟いているのが聞こえた。
ビリーは今、友達と暮らしていると聞いていた。外で仕事ができないくらい、その友達の面倒を見ているのだと。
本当のところはわからなかったけれど、彼が疲れているようなのは事実だ。確かにその同居の友人の面倒を見ているらしい。
私も、きみに救われた。
酷いけがをして帰ってきて、もう二度とパイロットには戻れないだろう、と言われていた。そんな私を助けてくれたのは彼だ。優しくしてくれたのは彼だ。
だから、その優しさを他人に向けてほしくないなんてわがままは言えない。
(きみが…それでいいなら…)
心配はしているけれど、意見をするわけにはいかない。
「ねえ、グラハム」
電話口で黙ったままだった私を、彼が呼びかける。
「また、連絡してもいいかな」
恐る恐る訪ねてくる彼の声は、友達よりも遠い距離にいるものの声だった。
「構わない」
「そう、良かった」
ほっとした声。
安心したような、気の抜けた表情を思い浮かべる。少しだけ、心が温まる。
帰ってきてほしい。
一緒に、また空を目指したい。
喉まで出かかった声をぐっと飲み込んだ。耐えなければいけない。きみがいない孤独に。
「またね、グラハム」
「ああ、また」
目の前にいないきみを求めているこの心は、さみしいだけの気持ちなのか、それともきみだからそう思ってしまうのか。
(どちらにしても、きみは居ない…)
ビリー、きみはどう思っているのだろうか。きみも、こんな気持ちを感じているのだろうか。
魂が半分持っていかれたような、そんな気持ちを。
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ビリーはグラハムにあこがれのような気持ちを抱いていて、グラハムはビリーに恋心を抱いて入ればいい(笑)って思っています。そんなスタンスです。
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