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ビリーは切りに行くのが面倒だから、あの髪形なんですよね?
*****
そろそろ伸びてきた髪の毛を切ろうと思っていた。もうずっと伸ばしていた髪だったので、切るタイミングがなくてそのままにしていたけれど、今は思いきるのに丁度良いタイミングのように思えた。
ただひとつ失敗したのは、その事をきみに相談してしまったことだ。
「勿体ないな。折角綺麗な髪なのに」
後でひとつにくくった髪の毛を触りながらきみがそう呟くものだから、僕の決心はそこで揺れた。
「……本当に、そう思ってる?」
髪の毛にまで感覚はないけれど、きみに障られている僕の体の一部を見ていると、何かおかしな気持ちになりそうだったので、嫌がるようにさっと髪の毛をきみの手から離す仕草をした。きみの手が、名残惜しそうに空を掴む。
「思っているとも」
そうだね。きみの口は思っていること以外は言葉にできなかったね。逆に、思っていることはなんでも飛び出してしまうので始末に負えない。僕はきみに愛されているのかと、勘違いをしてしまう。
「けど、当事者じゃないからそんなに簡単に言うんだよね」
若干のいやみをこめてきみの髪を見ながらため息を吐いた。そんなに長くはないきみの髪の毛は多分、手入れもそんなに面倒ではないだろう。僕は確かに面倒で髪の毛を伸ばしているけれど、洗う時も乾燥する時も実はこれで大変なのだ。そんな苦労をしている事も、きみには他人事かもしれないね。そんな風に言うと、きみはちいさく笑った。
「きみのその髪の毛がなくなると、さみしい」
こう言えば満足なんだろう?とグラハムの顔に書いてある。これじゃあまるで、僕がきみの気を引きたくて拗ねているみたいじゃないか。
(否定はしないけど…)
確かに少し、そう思うところはある。
本当に切りたければ、誰にも相談しないでさっぱりしたあとで報告すればいいだけの事だ。切ろうと思っているんだけど、なんで言い方をしたのは、きみの反応を見たかったから。それは認める。
「さみしい、って。どうして」
だから、もっと言って欲しい。僕自身でなくてもいい。僕の持っている何かに対して、惜しんでくれる言葉が欲しい。大事だって、言ってほしい。
きみはそんな僕の気持ちを知っているのか、知らないのか、とにかく笑顔を作って、もう一度僕の髪の毛に触れた。
「時々こうして触っているから、なくなるとさみしい」
きみが、きみでなくなるみたいだから。
そう言って、グラハムは僕の髪の毛にキスをした。
汚いからやめろ、と言いたかったけれど、止めようとした手は途中で止まり、口から出そうとした言葉は喉の奥で詰まった。
(また…髪の毛が伸びる……)
こうしてずっと、タイミングを逃し続けている。きみのそばにいる限り、髪の毛を切ることは多分できない。
>>>
グラハムはきっとビリーのポニーテールがなくなったら誰だかわかんなくなっちゃうよ!って友達に言われた(笑)だからビリーは髪が切れないのか…いやいや、そうではない!!と思って書いたものですが、自分で妄想していることもおおむね残念結果だなあ、と思ったのでした(笑)
ただひとつ失敗したのは、その事をきみに相談してしまったことだ。
「勿体ないな。折角綺麗な髪なのに」
後でひとつにくくった髪の毛を触りながらきみがそう呟くものだから、僕の決心はそこで揺れた。
「……本当に、そう思ってる?」
髪の毛にまで感覚はないけれど、きみに障られている僕の体の一部を見ていると、何かおかしな気持ちになりそうだったので、嫌がるようにさっと髪の毛をきみの手から離す仕草をした。きみの手が、名残惜しそうに空を掴む。
「思っているとも」
そうだね。きみの口は思っていること以外は言葉にできなかったね。逆に、思っていることはなんでも飛び出してしまうので始末に負えない。僕はきみに愛されているのかと、勘違いをしてしまう。
「けど、当事者じゃないからそんなに簡単に言うんだよね」
若干のいやみをこめてきみの髪を見ながらため息を吐いた。そんなに長くはないきみの髪の毛は多分、手入れもそんなに面倒ではないだろう。僕は確かに面倒で髪の毛を伸ばしているけれど、洗う時も乾燥する時も実はこれで大変なのだ。そんな苦労をしている事も、きみには他人事かもしれないね。そんな風に言うと、きみはちいさく笑った。
「きみのその髪の毛がなくなると、さみしい」
こう言えば満足なんだろう?とグラハムの顔に書いてある。これじゃあまるで、僕がきみの気を引きたくて拗ねているみたいじゃないか。
(否定はしないけど…)
確かに少し、そう思うところはある。
本当に切りたければ、誰にも相談しないでさっぱりしたあとで報告すればいいだけの事だ。切ろうと思っているんだけど、なんで言い方をしたのは、きみの反応を見たかったから。それは認める。
「さみしい、って。どうして」
だから、もっと言って欲しい。僕自身でなくてもいい。僕の持っている何かに対して、惜しんでくれる言葉が欲しい。大事だって、言ってほしい。
きみはそんな僕の気持ちを知っているのか、知らないのか、とにかく笑顔を作って、もう一度僕の髪の毛に触れた。
「時々こうして触っているから、なくなるとさみしい」
きみが、きみでなくなるみたいだから。
そう言って、グラハムは僕の髪の毛にキスをした。
汚いからやめろ、と言いたかったけれど、止めようとした手は途中で止まり、口から出そうとした言葉は喉の奥で詰まった。
(また…髪の毛が伸びる……)
こうしてずっと、タイミングを逃し続けている。きみのそばにいる限り、髪の毛を切ることは多分できない。
>>>
グラハムはきっとビリーのポニーテールがなくなったら誰だかわかんなくなっちゃうよ!って友達に言われた(笑)だからビリーは髪が切れないのか…いやいや、そうではない!!と思って書いたものですが、自分で妄想していることもおおむね残念結果だなあ、と思ったのでした(笑)
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