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バレンタインデーのネタで何か書こうとしていて時間がなくてこんな日付でバレンタインの話を書いてしまいました。なんかごめんなさい。
*****
その日、ユニオンの本部に出勤するとみんなどこかそわそわして落ち着きのない雰囲気だった。ただ、戦闘があってぴりぴりしているムードとはまるで違う雰囲気だったので、何かあったのかな、と思うだけで誰にもそのおかしな空気の出所を尋ねたりはしなかった。
いつものように作業着に着替えて白衣に袖を通す。眠い目をこすりながら自分のデスクに向かうと、机の上に小さなカードとお菓子が置いてあった。そこではじめて気付いたのだ。
(バレンタインデー…)
いつもガレージで整備をしている担当者から一同、の名前がカードに入っていて、お菓子の箱を開くと小さなチョコレートが沢山入っていた。
(ありがたい)
休憩時間に食べるおやつができたので、嬉しかった。
その日は昼までに情報処理の部署から、広報から、他にもユニオン所属パイロットから、チョコレートの入った箱をもらった。
バレンタインデーは祝日ではないけれど、素晴らしい習慣だ。
そんなものがあったことも今朝まで忘れていたくせに、自分が何かもらえるとなると現金になってしまう。
おかげで、僕は今日一日ずっとにこにこしていたらしい。
昼過ぎに部屋を訪ねてきたグラハムに、「顔の筋肉が緩んでいる」と注意されるまで、自分がずっと笑っていたことにも気付かなかったのだから。
自分の休憩時間にグラハムは僕のところに姿を見せるのは珍しい事ではなかったので、僕は先週行った演習の結果をプリントしたものを彼に渡して(暇つぶし用だ)、コーヒーを入れた。
グラハムがあそbに来ると手が止まるのを知っている同部署の人間は、じゃあ自分たちも少し休憩します、と言って部屋を出て行っている。
「今日はチョコレートをたくさん貰ったんだ。きみも食べるだろう?」
一番高そうに見えたチョコレートの箱を開いて、グラハムの目の前に置いた。コーヒーを入れるために立ち上がって、マグカップを持って帰ってくるときみはチョコレートの箱をじっと睨んだままで静止していた。
「食べてもいいよ。たくさんあるから」
食べるのを遠慮しているのかな、と思って声をかけると、グラハムの視線が急にチョコレートの箱からぱっと僕の方に移った。
「どうしたの」
「私も、」
言いにくそうに口を開いて、背中から何か取りだす。背後に隠し持っていたのは、チョコレートの箱。しかも、今グラハムの目の前にあるのと全く同じものだ。
「……僕に?」
「きみは、甘いものが好きだから買ってきたんだ」
差し出した箱には、バレンタイン仕様になっている赤いハートの模様が印刷された外装に、金色のリボンがかかっている。
(もしかして、わざわざ買ってきてくれたのかな)
だいたい、こんなものを買いに行くのは女の子の役目だ。僕の所に持ってきてくれたチョコレートも、その部署の女の子が買いに行ってくれたものだったのだろう。それをグラハムは多分自分一人で買いに行ったのだ。
「……ありがとう」
なんとなく、笑ってしまった。
グラハムはいったい、どんな顔をしてこのチョコレートを買ったのだろうか。どんな顔をして、箱にリボンをかけてもらうのを待っていたのだろうか。
「……笑っているな」
「だって、おかしくて……」
一体どんな格好で行ったのだろう。
僕はグラハムの手からチョコレートの箱を受け取ると、眼のまでリボンを解いた。
「僕は、何も用意していないんだ」
「いや、いい」
「お返しは……そのうちいつか、するね」
チョコレートの箱を開くと、テーブルに広げたもの全く同じならびでチョコレートが詰め込まれている。
「こっちを先に貰うよ」
笑顔を作ってきみからもらったチョコレートを先に口に運ぶ。
きみは少しだけ複雑そうな顔をして、そのあと笑った。
>>>
べったべたにいちゃいちゃしているグラビリをいつか書きたいなあ!って思っているのですが、自分の中でこいつらいつになったらくっつくんだろう…って気がしないでもない…。
グラハムがCBをやっつけたらビリーは素直にグラハムの胸に飛び込んでくれるかもしれない…!(笑)
いつものように作業着に着替えて白衣に袖を通す。眠い目をこすりながら自分のデスクに向かうと、机の上に小さなカードとお菓子が置いてあった。そこではじめて気付いたのだ。
(バレンタインデー…)
いつもガレージで整備をしている担当者から一同、の名前がカードに入っていて、お菓子の箱を開くと小さなチョコレートが沢山入っていた。
(ありがたい)
休憩時間に食べるおやつができたので、嬉しかった。
その日は昼までに情報処理の部署から、広報から、他にもユニオン所属パイロットから、チョコレートの入った箱をもらった。
バレンタインデーは祝日ではないけれど、素晴らしい習慣だ。
そんなものがあったことも今朝まで忘れていたくせに、自分が何かもらえるとなると現金になってしまう。
おかげで、僕は今日一日ずっとにこにこしていたらしい。
昼過ぎに部屋を訪ねてきたグラハムに、「顔の筋肉が緩んでいる」と注意されるまで、自分がずっと笑っていたことにも気付かなかったのだから。
自分の休憩時間にグラハムは僕のところに姿を見せるのは珍しい事ではなかったので、僕は先週行った演習の結果をプリントしたものを彼に渡して(暇つぶし用だ)、コーヒーを入れた。
グラハムがあそbに来ると手が止まるのを知っている同部署の人間は、じゃあ自分たちも少し休憩します、と言って部屋を出て行っている。
「今日はチョコレートをたくさん貰ったんだ。きみも食べるだろう?」
一番高そうに見えたチョコレートの箱を開いて、グラハムの目の前に置いた。コーヒーを入れるために立ち上がって、マグカップを持って帰ってくるときみはチョコレートの箱をじっと睨んだままで静止していた。
「食べてもいいよ。たくさんあるから」
食べるのを遠慮しているのかな、と思って声をかけると、グラハムの視線が急にチョコレートの箱からぱっと僕の方に移った。
「どうしたの」
「私も、」
言いにくそうに口を開いて、背中から何か取りだす。背後に隠し持っていたのは、チョコレートの箱。しかも、今グラハムの目の前にあるのと全く同じものだ。
「……僕に?」
「きみは、甘いものが好きだから買ってきたんだ」
差し出した箱には、バレンタイン仕様になっている赤いハートの模様が印刷された外装に、金色のリボンがかかっている。
(もしかして、わざわざ買ってきてくれたのかな)
だいたい、こんなものを買いに行くのは女の子の役目だ。僕の所に持ってきてくれたチョコレートも、その部署の女の子が買いに行ってくれたものだったのだろう。それをグラハムは多分自分一人で買いに行ったのだ。
「……ありがとう」
なんとなく、笑ってしまった。
グラハムはいったい、どんな顔をしてこのチョコレートを買ったのだろうか。どんな顔をして、箱にリボンをかけてもらうのを待っていたのだろうか。
「……笑っているな」
「だって、おかしくて……」
一体どんな格好で行ったのだろう。
僕はグラハムの手からチョコレートの箱を受け取ると、眼のまでリボンを解いた。
「僕は、何も用意していないんだ」
「いや、いい」
「お返しは……そのうちいつか、するね」
チョコレートの箱を開くと、テーブルに広げたもの全く同じならびでチョコレートが詰め込まれている。
「こっちを先に貰うよ」
笑顔を作ってきみからもらったチョコレートを先に口に運ぶ。
きみは少しだけ複雑そうな顔をして、そのあと笑った。
>>>
べったべたにいちゃいちゃしているグラビリをいつか書きたいなあ!って思っているのですが、自分の中でこいつらいつになったらくっつくんだろう…って気がしないでもない…。
グラハムがCBをやっつけたらビリーは素直にグラハムの胸に飛び込んでくれるかもしれない…!(笑)
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